2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え植物を用いた物質生産の基礎となる蛋白質の安定化と分解の制御機構の解析
Project/Area Number |
21380208
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松岡 健 Kyushu University, 農学研究院, 教授 (40222294)
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Keywords | 凝集 / 蛋白質分解 / 蛍光蛋白質 / 植物 / 液胞 / 輸送 |
Research Abstract |
植物を宿主とする有用物質の組換え生産は、今後普及する技術として注目されている。そこで各種の蛋白質の植物中の生産が試みられているが、蛋白質によってその安定性は異なっている。しかし、この安定性の違いに関しての系統的な解析は殆ど為されていない。そこで本研究では、植物細胞に発現させた外来蛋白質の細胞質への凝集体としての蓄積の機構と、分泌系に導入した外来蛋白質の液胞への輸送による分解機構について、蛍光蛋白質をレポーターとして用いて生細胞の可視化技術を用いて解析することにより、植物細胞での蛋白質の蓄積と分解の機構について新規な知見を得ることを目的としている。そこで本年度は、次の2項目について、研究を進めた。 1) 外来蛋白質の細胞質への凝集体としての蓄積機構の解析 この解析では、タバコ培養細胞でCytb5-RFP発現させた場合に、この蛋白質が細胞内で凝集体として蓄積する現象を対象にご解析を進めている。まず、この蛋白質の発現の際に発現が誘導されるJ-ドメイン蛋白質2種について、各々に対する抗体を作成した。その結果、作製した抗体のうち一方は両蛋白質を認識することを確認した。また、凝集体の安定性について、色彩変化蛍光蛋白質をRFPの代わりに用いることにより色彩変化を引き起こせる凝集体を、Kikume蛋白質を用いて作成した。次いで、100ml程度の培養細胞の懸濁液の細胞中の凝集体の蛍光波長を変換する装置の試作品を作製し、それが使えることを確認した。 2) 外来蛋白質の分泌系から液胞への輸送と分解機構の解析 この解析では、分泌性シグナルペプチドとmRFPの融合体のうち、mRFP部分に存在すると推定される液胞への輸送情報を検索する目的で、mRFP部分にランダムに導入した変異プールから、分泌性となった変異mRFPの選抜を進めた。しかしながら、変異導入効率が低く、今のところ変異体は得られていない。
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