2011 Fiscal Year Annual Research Report
有機オキソアンモニウム塩の精密修飾に基づく高選択的アルコール不斉酸化触媒の開発
Project/Area Number |
21390001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩渕 好治 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20211766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澁谷 正俊 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (40359534)
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Keywords | オキソアンモニウム塩 / アザアダマンタン / 不斉酸化 / アルコール酸化 / 不斉触媒 / 分子認識 / ニトロキシルラジカル |
Research Abstract |
本研究は、有機オキ-ソアンモニウム塩に潜在する機能性の開発を機軸として、光学活性有機分子の迅速かつ高効率な獲得に資する環境調和型・高エナンチオ選択的不斉アルコール酸化触媒の開発を目的とするものである。筆者らは、これまで>99%ee以上の光学活性アルコールの獲得を可能とするキラルアザアダマンタンN-オキシル(AZADO)誘導体の獲得に成功している。研究計画の最終年度に当たる本年度は、そのさらなる有用性の拡張を目指して触媒構造ならびに共触媒、添加剤等を検討した。多様なAZADO誘導体を合成して構造活性相関を検証した結果、ピロリジンアルコールおよびピペリジンアルコールを始めとする含窒素複素環基質においても>95%ee以上の高い不斉収率を与える触媒1-butyl-4-cyclohenylmethyl-2-AZADOL(2-azaadamantan-2-o1)を獲得した。そして本反応を活用して、レニン阻害活性を示すピペリジノールファルマコフォアの合成を行い、その有用性を実証した。一方、有機オキソアンモニウム塩を触媒とするアルコール酸化反応の適用性拡張を期して、バルク酸化剤を新たに探索した結果、所期の目的に適う反応剤としてアゾカルボン酸エステルを見出した。本触媒は、室温・常圧で、空気中の酸素をバルク酸化剤として、多様な第1級および第2級アルコール類の高効率な酸化を実現するものである。本知見と先に見出した不斉酸化システムの融合によって、基質適用性、適用範囲のさらなる拡張を果たすべく検討を継続している。
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Research Products
(6 results)