2010 Fiscal Year Annual Research Report
多核金属クラスター触媒を基盤とする化学選択性の新規制御法の開発
Project/Area Number |
21390003
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大嶋 孝志 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (10313123)
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Keywords | 環境調和 / 多核亜鉛触媒反応 / 添加効果 / 触媒的不斉アルキニル化反応 / ロジウム触媒反応 / プロパルギルアルコール / 化学選択性 |
Research Abstract |
有用な機能性分子を、大量にしかも地球環境に負荷をかけることなく実用的に供給することを目的に、環境調和性の高い触媒反応の開発に取り組んでいる。具体的には、エステル基や水酸基など、それぞれ求核性や脱離能が低いために活性化基への変換を要していた不活性な官能基を、多機能性を有する触媒によって選択的に活性化することに取り組んでいる。本年度は、亜鉛クラスター触媒によるエステル交換反応におけるアミンおよび含窒素複素環の顕著な添加効果を見出し、反応性の低い基質を用いた場合にも高収率で目的物を得ることが可能となった。また、亜鉛四核クラスター触媒の昇華を用いない大量合成法の開発に成功し、本触媒の市販化が可能となった(商品名:ZnTAC24^<TM>)。 さらに、これまで等モル量以上の金属試薬を必要としていたケトンのアルキニル化反応を、触媒量のキラルロジウム触媒によって促進することにも成功し、高収率かつ高エナンチオ選択性で目的とする光学活性プロパルギルアルコールを得ることに成功した。本触媒反応は、アセテート配位子が分子内塩基として働くことで、非常に温和な条件化用意に脱プロトン化が進行することが分かり、また、キラル配位子を電子的にチューニングすることで、反応性の低かったアルキル置換アルキンを基質に用いた付加反応の触媒活性およびエナンチオ選択性を大幅に向上させることに成功した。また、アルデヒドにの存在下ケトンが優先して反応するという特異な化学選択性を見出すことができた。
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Research Products
(49 results)