2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規小分子蛍光ラベル法による生細胞での受容体の可視化解析
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21390007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 義明 京都大学, 薬学研究科, 助教 (60402799)
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Keywords | 蛍光イメージング / GPCR / オリゴマー化 / コンフォメーション変化 / β2アドレナリン受容体 / 蛍光励起エネルギー移動 |
Research Abstract |
近年開発した新規蛍光ラベル法を用いて、創薬研究に重要な膜受容体の会合やコンフォメーション変化を生きた細胞膜で検出することを目指して研究を展開した。β2アドレナリン受容体はGタンパク質共役型受容体の中でも最も良く研究されている受容体の一つだが、その会合状態に関しては研究グループ間で論争となっている。我々はこれまでに、新規ラベル法を用いた蛍光励起エネルギー移動(FRET)により受容体の会合を正しく解析できる事を確認してきた。そこでChinese hamster ovary (CHO)細胞膜上での、β2アドレナリン受容体の会合状態を調べた。FRETドナー/アクセプターペアであるローダミングリーン(RG)/テトラメチルローダミン(TMR)標識K4プローブを様々な比率で混合投与してN末端E3タグ付加受容体を標識し、スペクトル検出器を備えた共焦点顕微鏡を用いて各蛍光色素由来の蛍光強度を定量した。ここから見かけのFRET効率を算出した。受容体リガンド非存在下、有意なFRETは見られなかった。発現方法(一過性発現または安定発現)や温度(20-37℃)に関わらず、FRETシグナルは検出されなかった。また受容体アゴニスト・アンタゴニスト・逆アゴニストを添加した場合にも、FRETシグナルは見られなかった。この解釈として1)オリゴマー形成せずに単量体として存在する、2)他の受容体と会合している、また、RG/TMRペアのR_0は約55Aであることから3)自己会合しているがN末端がR_0に比べ大きく離れており検出できていない、などの可能性が考えられる。 また、受容体コンフォメーション変化検出に関して、β2アドレナリン受容体の膜貫通ヘリックス1-7の細胞側にE3タグを挿入した変異体を作製したが、膜貫通ヘリックス1付近にタグを挿入した場合のみ弱い染色が見られ、他の部位では染色されない事が判明した。
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Research Products
(4 results)