2010 Fiscal Year Annual Research Report
自然言語処理に基づく薬物代謝ネットワークと化合物間相互作用の網羅的情報解析
Project/Area Number |
21390008
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (30243041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 貴之 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (80401595)
|
Keywords | 薬物代謝 / 自然言語解析 / テキストマイニング / 薬物相互作用 / 構造活性相関 / インシリコ予測 / ネットワーク解析 |
Research Abstract |
薬物の代謝は医薬品の有効性のみならず副作用とも深く関わっている。薬物-薬物間相互作用に代表されるように,薬物代謝酵素の誘導あるいは阻害によって,薬物の治療効果が大きく変動することもよく知られている。そのメカニズムとしては,代謝酵素レベルでの競合阻害のほか,酵素誘導やネガティブフィードバックなどタンパク質ネットワークが関与して薬物代謝活性が変動する間接的効果もある。そこで,本研究では,薬物代謝酵素の発現を制御する生体分子ネットワークレベルでの包括的な理解を得ることを最終的な目的として,テキストマイニング技術により薬物代謝ネットワークと相互作用する化合物に関する情報を網羅的に収集する方法を確立するとともに,得られた情報を構造活性相関の手法により解析している。H21年度はテキストマイニングの基本技術を確立して,代表的な薬物代謝酵素であるチトクロムP450の基質,阻害剤,誘導剤に関する情報を収集したが,本年度(H22年度)は,転写因子群など薬物代謝タンパク質ネットワークと相互作用する化合物情報を収集するシステムへの拡張,ならびに構造活性相関解析を実施した。前者については,PXR, CAR, AhRに代表される転写因子群との相互作用情報が収集可能となるとともに,培養細胞を用いて酵素の発現変動を評価する実験系を確立して実験的な検証を行った。一方,後者に関しては,P450分子種による薬物代謝の構造活性相関として,例えば2D6基質はカチオン性化合物であること,2E1基質は分子量が小さいものが多いこと,などを明らかにするとともに,これらの情報すべてを一画面で表示し視覚的に捉えることができる可視化インターフェースの開発に成功した。
|
Research Products
(4 results)