2009 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼのオルガネラ選別機構とシグナリング
Project/Area Number |
21390017
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山口 直人 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 教授 (00166620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 祐治 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (10280918)
福本 泰典 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (10447310)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 共焦点顕微鏡 / シグナル伝達 / チロシンリン酸化 / 細胞核 / ゴルジ体 / 細胞内トラフィック |
Research Abstract |
Src型キナーゼは、非受容体型チロシンキナーゼの仲間であり、翻訳後脂質修飾によって、細胞膜に係留して受容体からのシグナルを細胞内に伝達し、増殖・分化・運動などに深く関与することが分かっている。しかしながら、Src型キナーゼは、細胞膜の他に、後期エンドソーム、リソソーム、ゴルジ体や核にも存在しているが、細胞内輸送選別機構や細胞膜直下以外でのシグナリング機能は殆ど明らかにされていない。Lynは細胞質で生合成後にゴルジ体膜に蓄積し、その後細胞膜へと輸送されることが申請者らによって見出されている。 そこで、本研究では、Srcメンバーの1つであるLynの細胞内輸送を調べて、次のことを明らかにした。まず、Lynの構造でゴルジ標的化に必要な領域を調べたところ、蛋白質-蛋白質相互作用領域のSH3・SH2は関与せずに、脂質修飾部位のSH4領域が必要であることが分かった。しかし、SH4領域は必要条件ではあるが必要十分条件ではなく、キナーゼ活性は不必要だがキナーゼ領域構造が必要であることが分かった。内在性Lynの発現量に対して数倍程度の過剰発現株を樹立できたので、共免疫沈降法と質量分析法によりLynへの会合分子の同定を行なった結果、蛋白複合体を予想させる複数の蛋白質が見出されたので、細胞分画法・共免疫沈降法・免疫染色法などを用いて詳細に解析を行なっているところである。さらに、DNA傷害によるサイクリンBタンパク質の分解促進と染色体多倍数化が連関するこどが分かったので、DNA傷害と核内チロシン化シグナルの関わりを調べて研究を進めている。また、ポリエチレンイミンを用いた遺伝子導入法の改良をおこなったところ、高効率・簡便で安価(市販試薬の1万分の1の価格)の方法ができた。従って、チロシンキナーゼのオルガネラ特異的な局在機構の研究は、新たな細胞内シグナル伝達系の発見へと導いてくれるものと期待される。
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Research Products
(44 results)