2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞分化のひきがねとして機能する因子群のシグナル伝達連関の機構解明
Project/Area Number |
21390024
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
今川 正良 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (20136823)
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Keywords | 肥満 / 脂肪細胞 / 糖尿病 / 細胞分化 / 生活習慣病 / 転写因子 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
生活習慣病の克服には,脂肪細胞肥大化の機構を解明すると共に脂肪細胞分化機構の解明も必須課題である.申請者は,脂肪細胞分化の最も初期に注目し,分化のひきがねとして重要な因子群について新規遺伝子を含めこれまでに多数単離した.そこでそれら遺伝子群の機能解析を進めている.本年度は,これらの因子について細胞レベルおよび個体レベルで解析し,以下の結果を得た. fad104 (factor for adipocyte differentiation 104)のホモノックアウトマウスを作製したところ出生直後に死亡した.そこで,MEF (mouse embryonic fibroblast)を用いて検討したところ,fad104は脂肪細胞を正に制御すると共に,細胞接着や細胞移動にも重要であることを明らかにした.また別の遺伝子fad24については,強制発現トランスジェニックマウスを作製し,標準食および高脂肪食を用いて検討したところ,fad24を高発現させると小型の脂肪細胞を多数できることが明らかとなった.さらに,血中のアディポネクチン量が増大し,糖代謝を改善させることが明らかになった.また,TCLは,脂肪細胞分化初期において,clonal expansionを正に制御することにより分化を促進することを見出した.さらに転写因子C/EBPδもclonal expansionを正に制御することを明らかとした. 以上,脂肪細胞分化に重要な役割を果たす遺伝子群について,個体レベルでの解析を行うと共に,細胞レベルでは,特に分化初期のclonal expansionにおける役割を明らかにした.引き続きこれら遺伝子群の機能解析を細胞・個体レベルで行うと共に,fad24およびTCLについては,ノックアウトマウスを作製するためにベクターなどの準備を進めている.
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Research Products
(4 results)