2009 Fiscal Year Annual Research Report
三次元的多様性を特徴とする汎用性βターンミメティックの創製
Project/Area Number |
21390028
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
周東 智 Hokkaido University, 大学院・薬学研究院, 教授 (70241346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有澤 光弘 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (40312962)
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Keywords | ペプチドミメティック / シクロプロパン / 配座制御 / Grb2 / βターン / 三次元的多様性 / 分子設計 |
Research Abstract |
本課題では、創薬上有用でその開発が望まれている汎用性に優れるβターンミメティックを三次元的多様性を鍵とする分子設計法に基づき創製する。本年度は、以下のように8種類の立体異性体で構成されるミメティックの基本的な合成法を確立し、トランス型Grb2結合ペプチドミメティックに所望の生物活性があることを確認した。 合成:先ず、(S)-及び(R)-エピクロロヒドリンより1,1,2-三置換シクロプロパン構造を有するcis-型及びtrans型ミメティック合成上の鍵中間体を効率的に合成する方法を確立した。さらに、シクロプロパン隣接位への立体選択的炭素置換基の導入が目的物合成上の大きな課題であったが、光学活性t-ブタンスルフィナミドを不斉補助基とするイミンに対するGrignard反応を用いる方法を活用してこの課題を解決した。以上により、各ミメティックの基本骨格の構築が可能となった。そこで、Grb2結合ペプチドの結合認識部位に相当する官能基の導入を経て8種類のミメティックを合成した。 薬理活性評価:Grb2に対する親和性(K_i)は分子間相互作用解析装置(ビアコア)で測定した。その結果、trans型のミメティックがGrb2に対する所望の結合親和性を有することが明らかになった。以上の結果は、本方法論が、新規ペプチドミメティクのリード化合物創出に有用であることを示すものである。
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Research Products
(3 results)