2009 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害療法のためのバイオプローブ分子設計とケミカルジェネティクス
Project/Area Number |
21390033
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永澤 秀子 Gifu Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (90207994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 健介 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00311796)
上田 聡 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教 (50453056)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
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Keywords | 血管新生阻害 / 環状イミド誘導体 / 分子設計 / がん |
Research Abstract |
強い細胞毒性を有する血管新生阻害剤である、arylidene-cyclopentenedione類の構造活性相関の検討中に、cyclopentendione構造をチアゾリジンジオン構造に変換した誘導体が血管新生を強く阻害する一方で、細胞毒性を示さないことを見出した。そこで今回、酸素、窒素、硫黄原子を有する種々のヘテロ環状イミド骨格と側鎖アルキル基、ベンゼン環の置換基及びリンカー結合に関する広範な構造展開を行った。得られた化合物について、鶏卵漿尿膜(CAM)アッセイ及びHUVEC管腔形成試験により血管新生阻害効果を評価した。さらに、HCT116細胞を用いたMTTアッセイにより細胞毒性を、レポータージーンアッセイによりPPARγアゴニスト活性を調べた。種々の芳香族置換環状イミド誘導体は、いずれも強い血管新生阻害作用を示し、細胞毒性をほとんど示さなかった。特に、チアゾリジンジオシ誘導体GPU-4は、10ng/CAMにおいて、最も強く血管新生を阻害し、100μMまでの濃度で細胞毒性を示さなかった。また、チアゾリジンジオン骨格が、PPARγアゴニストの基本骨格であることから、上記のレポータージーンアッセイを行ったが、アゴニスト活性はほとんど認められなかった。以上より、GPU-4は、細胞毒性を持たない新規選択的血管新生阻害剤として有用と考えられ、今後さらに詳細な作用機構について解析する予定である。
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