2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害療法のためのバイオプローブ分子設計とケミカルジェネティクス
Project/Area Number |
21390033
|
Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
永澤 秀子 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90207994)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 健介 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (00311796)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20381717)
|
Keywords | 血管新生阻害 / がん微小環境 / 低酸素 / VEGF / 分子設計 |
Research Abstract |
ブラジル産グリーンプロポリスエキスの低酸素及び低栄養応答プロモーターアッセイによりヒットした種々の4-hydroxycinnamic acid誘導体に、優位な血管新生阻害作用があることを見出した。そこでそれらの化合物とarylidene-thiazolidinedione(TZD)系血管新生阻害剤、GPU-4の構造類似性に着目し、血管新生阻害剤のファーマコフォア解明を目指してカルボン酸部位のbioisostere変換、フェニル基の置換基効果などを中心に、さらなる構造展開を行った。CAMアッセイによる評価に基づいて、構造活性相関解析を行った結果、(1)カルボキシル基からフェニル基にかけての平面共役系、(2)カルボン酸またはその等価体の水素結合供与能、(3)ベンゼン環上のアルキル置換基の種類が重要であることが明らかになった。また、上記のケイヒ酸誘導体やGPU-4を上回る活性を有する新規血管新生阻害化合物、TZD誘導体のGPU-401,122及びスルホン酸誘導体のGPU-396を見出した。これらの化合物のうちGPU-401,122はHIF-1αのタンパク質発現および転写活性化能を強く抑制し、VEGFの分泌を優位に抑制したが、GPU-396はそれらを抑制しなかったことから異なる作用機構であると予想された。以上より、血管新生阻害剤の新規ファーマコフォアとしてarylidene-thiazolidinedione骨格の有用性を明らかにし、細胞毒性を持たない特異的血管新生阻害剤の有望な新規候補化合物を開発することに成功した。これらの化合物は腫瘍血管新生阻害のみならず、糖尿病性網膜症や加齢性黄斑変性症などに対しても有効性が期待される。
|
Research Products
(15 results)