2009 Fiscal Year Annual Research Report
都市大気中の浮遊粒子成分が動物体内で示す変異原性と次世代影響の評価
Project/Area Number |
21390038
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
青木 康展 National Institute for Environmental Studies, 環境リスク研究センター, 副センター長 (20159297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能美 健彦 国立医薬品食品衛生研究所, 変異遺伝部, 部長 (30150890)
松本 理 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 主任研究員 (60132867)
中島 大介 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, 主任研究員 (10281411)
影山 志保 独立行政法人国立環境研究所, 環境リスク研究センター, NIESアシスタントフェロー (00514316)
|
Keywords | 環境質定量化・予測 / 人間生活環境 / 有害化学物質 / 遺伝子 / 癌 |
Research Abstract |
東京4ヶ所およびつくば地区1ヶ所の大気から浮遊微小粒子状物質を夏季および冬季に収集した。約1gの粒子状物質を得て、ジクロロメタン可溶成分を抽出し、その成分の変異原性をTA100(S9+)のエイムス試験により確認した。夏季、冬季とも地区により変異原性に大きな差は認められず、80-200rev/mg粒子状物質、1000-1600rev/mg抽出物であった。他のエイムス試験系(TA98 (S9+,S9-), TA100 (S9-), YG1024 (S9+, S9-))においても、地域により大きな違いは認められなかった。冬季の浮遊粒子状物質の変異原性は、110-150rev/mg粒子状物質(TA100 (S9+))であり、夏季に比べて幾分低い傾向にあった。夏季につくば地区で採取した粒子状物質の抽出物を体内変異原性検出用遺伝子導入マウス・gpt deltaマウスの気管内に最大1.2mgの用量投与したところ、肺の突然変異頻度は最大用量では1.5×10^<-5>に、用量に依存して増加し、コントロール(0.4×10^<-5>)と比べて約4倍の突然変異頻度の上昇が認められた。また、最高用量のマウス肺中では多環芳香族炭化水素(PAH)曝露により発現され、PAHを代謝活性化するモノオキシゲナーゼ・CYP1A1とCYP1A2mRNAの誘導が認められた。都市大気中の粒子状物質成分は肺内で代謝活性化され、変異原性を示すことが明らかになった。
|
Research Products
(4 results)