2011 Fiscal Year Annual Research Report
P-糖蛋白/CYP3Aヒト型マウスの創製とヒト薬物動態研究への有用性
Project/Area Number |
21390040
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
千葉 寛 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (40159033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 カオル 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (30255864)
降幡 知己 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (80401008)
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Keywords | 薬学 / 応用動物 |
Research Abstract |
ヒトCYP3A遺伝子クラスターを導入したCYP3A-HACマウス(CYP3A-HAC)のpregnane X receptor(PXR)をヒト化したCYP3A-HACマウス(hPXR/CYP3A-HAC)を作成した。このマウスと、ヒトPXRを導入していないCYP3A-HACマウス(mPXR/CYP3A-HAC)について、PXRリガンド応答性を比較した。まず、マウスPXRのリガンドであるプレグネノロン16-アルファカルボニトリル(PCN)を100mg/kgの投与量で腹腔内投与したところ、mPXR/CYP3A-HACでは、肝CYP3A4mRNAは顕著に増加した。一方、hPXR/CYP3A-HACでは、PCNによる肝CYP3A4 mRNAの増加は小さかった。このことから、PXRをヒト化することによりマウスPXRリガンドであるPCNのPXRへの結合および誘導能が低下したと考えられた。次に、ヒトPXRのリガンドであるリファンピシン(RIF)を10mg/kgの投与量で腹腔内投与したところ、hPXR/CYP3A-HACでは、肝CYP3A4 mRNAの増加を示した個体と増加しなかった個体が存在した。また、mPXR/CYP3A-HACでは、RIF投与によりCYP3A4 mRNAがむしろ減少した。現在、マウス個体数を増やすとともに、RIF以外のヒトPXRリガンドの投与についても検討を行っており、今回作成したhPXR/CYP3A-HACがヒトにおけるCYP3Aの誘導を評価するモデルとなりするかについて明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PGP/3A-HACマウスの作成が遅れており、PXR/CYP3A-HACの方が先に完成したため、評価を先におこなった。PGP/3A-HACマウスの作成が遅れた理由に一つが導入遺伝子の脱落であったが、新たな染色体ベクターの構築によりそれを回避することが可能となり、PGP/3A-HACマウスもほぼ完成に近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
CYP3A/PGP-HAとPXR/CYP3A-HACマウスを用いて、これらのヒト型マウスがヒトにおける体内動態や相互作用の予測に有用であるか否かについての検証を行う
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Research Products
(3 results)