2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経・精神疾患に関与する新規分子の機能解明および臨床応用への可能性
Project/Area Number |
21390045
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
新田 淳美 University of Toyama, 医学薬学研究部, 教授 (20275093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
鍋島 俊隆 名城大学, 薬学部, 教授 (70076751)
村松 慎一 自治医科大学, 医学部, 教授 (10239543)
日比 陽子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任助教 (70295616)
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Keywords | 新規分子 / 神経疾患 / 精神疾患 / 遺伝子治療 / 疾患マーカー / 遺伝子改変マウス / 酵素免疫測定法 / ドパミン |
Research Abstract |
アルツハイマー・パーキンソン病などの神経変性疾患および統合失調症やうつ病など精神疾患をもつ患者や年々増加している。最近は、遺伝的要素と生後の環境因子によってこれらの疾患の発症リスクが変化することに注目が寄せられ、多くのグループが研究を行っている。我々は、最近、覚せい剤を連続投与したマウス側坐核から新規遺伝子を見出し同定に成功し、shatiと命名した(NCBIアクセスナンバーABA54615)。本年度は、本遺伝子が過剰発現と欠損した遺伝子組み換えマウスの作成に着手した。 受精卵にそれぞれの遺伝子を含むベクターを注入した後、メスマウスの子宮に入れ、着床および妊娠させた。その結果、得られた子供をF1として、便宜上、由来受精卵ごとに系統に番号をつけ、いずれの系統が過剰にそれぞれの蛋白質を発現しているかを比較し、実験に用いるマウスの系統を決定した。 Shati遺伝子過剰発現マウスでは、強制水泳やマウス尾懸垂試験で無動時間の延長が観察された。また、未知のマウスとの接触時間を指標とした社会性行動試験では、他のマウスとの接触時間の短縮が観察された。逆に新規物体への接触時間は有意に延長した。新規物体探索試験や水探索試験での学習・記憶能力には変化が観察されなかった。以上の結果から、物体には執着するが、他者への執着が少ないことが示唆され、精神疾患モデル動物として利用できる可能性が考えられた。 次年度は、マイクロダイアリシスによって、これら動物の脳からの神経伝達物質遊離量を測定し、病態を反映しているか否かを検討する。また、本遺伝子が覚せい剤連続投与したマウス脳で発現が増加していることから、薬物依存との関係についても検討する。並行して、遺伝子欠損マウスの繁殖・行動実験も行う。
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Research Products
(34 results)