2012 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインアジュバントのDDSと経鼻粘膜ワクチンのリスクマネジメント
Project/Area Number |
21390046
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (50263306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 慎一 独立行政法人医薬基盤研究所, その他部局等, その他 (90357533)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 安全 / リスク / ワクチン |
Research Abstract |
申請者らは、発がんや抗ウイルス活性といった防御免疫系の制御を担うサイトカイン、TNFを鼻粘膜ワクチンアジュバントとして適用すると、神経毒性や炎症反応などの重篤な副作用を呈することなく、効率よく鼻粘膜局所、遠隔の粘膜面および全身免疫を誘導し得ることを見出した。即ちTNFは、従来までの毒素系アジュバントで顕著に観られるような重篤な副作用を伴わない、優れたアジュバントになり得るものと考えられる。さらに当該研究において、独自の生物学的DDSを有効活用し、『生物活性やレセプタ指向性に優れた機能性人工TNF』を創出し、鼻粘膜免疫用アジュバントとしての機能(有効性と安全性)を解析し、最適な機能性TNFアジュバントの創成に成功してきた。一方で、より効率的な免疫誘導を達成するためには、抗原を免疫担当細胞に特異的に送達可能なワクチンキャリアとの併用が必要不可欠であることも認めている。そこで本年度は、経鼻ワクチンに適した抗原送達キャリアを探索すると共に、TNFアジュバントとの併用効果を検証した。その結果、既に医薬品添加剤や香粧品基材として汎用される非晶質シリカを用いることで、粒子径100nm以下で、最適に表面加工されたナノシリカが、抗原とプロテインコロナ(蛋白質吸着層)を形成し、吸着したコロナ蛋白質(抗原)を安全に、しかも高効率で経鼻粘膜吸収させ、効果的に粘膜面・全身面で抗原特異的免疫応答を誘導し得ることを明らかとした。さらに、TNFアジュバントとの併用により、免疫誘導効果が飛躍的に向上し得ることも明らかとした。以上の成果は、粘膜ワクチンの早期実用化に向けた最初のブレークスルーとなるものであり、世界中で猛威をふるう新興・再興感染症など、致死的な感染症に対する新たな予防・治療戦略を提供するものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)