2009 Fiscal Year Annual Research Report
走査型プローブ顕微鏡による生体微細構造機能解明法の新展開
Project/Area Number |
21390051
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
牛木 辰男 Niigata University, 医歯学系, 教授 (40184999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 治 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10303124)
甲賀 大輔 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30467071)
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Keywords | 走査型プローブ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 走査型イオン伝導顕微鏡 / マニピュレーション / 細胞 |
Research Abstract |
本研究では、走査型プローブ顕微鏡(scanning probe microscope, SPM)の医学・生物学分野への更なる応用を目指し、とくに顕微解剖学分野の研究に益する観察法の開発とその応用を行うことを目的とする。そこで本年度は次の点について研究を行った。 1.液中リアルタイムイメージング法の開発と顕微解剖応用 ブリストル大学の連携研究グループの装置を用い、染色体とコラーゲン細線維の液中原子間力顕微鏡(AFM)によるリアルタイムイメージングを試みた。画像を得ることはできたが、試料ダメージ等の問題は今後の課題である。 2.走査型イオン伝導顕微鏡法(SICM)の開発と顕微解剖学応用 静岡大学工学部の連携研究グループと共同開発中のSICMを用いて、化学固定した培養細胞(HeLa細胞)、線毛上皮、組織切片についいて液中観察を行った。その結果、測定時間は長くかかるが、ある程度の表面凹凸情報を得ることができた。今後は、装置の改善とともに、この観察法に適した標本作製法の開発が必要となってきており、凍結超薄切片法を含めた検討を行う予定である。 3.マニピュレーション法の開発と顕微解剖学応用 AFMが探針を試料に接触させることができる特徴を利用して、AFM駆動型のマニピュレータを用い、おもに走査型電子顕微鏡の中での生物試料の加工を行い、その有用性と今後の可能性について検討した。その結果、現在保有するマニピュレータでは、腎糸球体の操作や、水晶体線維の加工などを行うことができた。AFM型のマニピュレータは、細かな操作に適しているが、一方でマニピュレーションの針の形状が重要であること、また針先についたごみを取り去る方法等について、検討する必要がありそうである。 以上、それぞれの装置の基本的な性能と生物応用への利用方法がわかってきたので、残りの期間は、より生物学的な応用を進めて行きたい。
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Research Products
(10 results)