2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390053
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 豊士 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50115929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 倫毅 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80456649)
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Keywords | 脂肪滴 / イノシトール燐脂質 / オートファジー / 急速凍結 / 凍結割断 |
Research Abstract |
1)脂肪滴に局在する蛋白質分解系関連分子(LDXと仮称する)のコンディショナルノックアウトマウスを作製し、アルブミンプロモーターの下流で肝特異的にCreリコンビナーゼを発現するマウスと交配して、肝でのLDX発現を阻害したマウスを作出し、解析を開始した。ヘテロあるいはホモに遺伝子を欠くマウスが得られており、現在生育中である。一方、上記マウス胎児から得た線維芽細胞にCreを導入してLDX-null細胞を作製し、in vitroでの解析を行った。LDX-null細胞では対照群の正常細胞と比較して脂肪滴蛋白質が蓄積するなどの表現系が得られ、現在さらに詳細に検討中である。脂肪滴蛋白質を制御する機構を解明することにより、脂肪滴の脂肪貯蔵量を制御するメカニズムについて重要な知見が得られると期待できる。 2)動物体内細胞のイノシトール4,5-二燐酸(PI(4,5)P2)の微細局在を急速凍結・凍結割断レプリカ標識法を用いて検索した。ラット膵外分泌上皮細胞では、頂部、側・基底部、タイト結合部を通じて形質膜には全く同様の密度で分布すること、ギャップ結合では周囲の形質膜より高密度にあること、細胞内オルガネラには検出可能なレベルのPI(4,5)P2が見られないことを見出した。上記の結果は蛍光プローブを用いてMDCK細胞で得られている結果と異なっており、動物体内細胞の解析の重要性が明らかになった。急速凍結・凍結割断レプリカ標識法は前処理なしに膜脂質を解析できる方法であり、さらに適用範囲を拡げて解析を継続中である。
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