2010 Fiscal Year Annual Research Report
レポーター遺伝子導入による間葉系幹細胞の未分化性維持と分化様式の解明
Project/Area Number |
21390062
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 有未 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (50338183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 佳見 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20505044)
鈴木 禎史 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (70465003)
森川 暁 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (00424169)
馬渕 洋 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50424172)
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Keywords | 間薬系幹細胞 / 再生医学 / 細胞・組織 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
前年度までに我々はマウス間葉系幹細胞がPDGFRα+Sca-1+細胞分画中に濃縮されていることを明らかにし、報告した。 本年度は間葉系幹細胞の発生起源を明らかにするため、Cre-loxPシステムを用い、P0・Wnt1プロモーターの神経堤細胞に対する特異性を利用し、これらプロモーターとレポーター遺伝子(GFPやβ-galactosidase)を掛け合わせたトランスジェニックマウスを作成し、成体における神経堤幹細胞を含む神経堤由来の細胞のトレーシングを行った。 P0-cre/CAG-EGFPマウスの骨髄を用い、濃縮されたMSCs集団をフローサイトメトリーで解析した結果、約10%がGFP陽性であり、神経堤由来の間葉系幹細胞が存在することが明らかになった。P0+,P0-両方の分画より分離したMSCsはどちらも脂肪、軟骨、骨等、間葉系細胞への分化能を持ち、両者には機能的な差が見られなかった。 また初期の原腸胚形成期に沿軸中胚葉領域に発現するMesp1遺伝子プロモーターの下流にcreを発現するトランスジェニックマウス(Saga et al.Development 126;3437-47,1999)を用い、成体における中胚葉幹細胞を含む沿軸中胚葉由来の細胞を同様に特異的に標識しトレーシングする試みを行った。Mesp1-cre/CAG-EGFPマウスをフローサイトメトリーサイトメーターにて解析した結果、全MSC中GFP陽性細胞は約15%であった。MSCはMesp1陽性陰性いずれの分画にも存在し、どちらの分画からも脂肪、軟骨、骨へ分化する間葉系幹細胞を分離することが可能であった(Niibe et al 2011)。 以上の結果から、成体マウス骨髄中には少なくとも、神経堤由来、沿軸中胚葉由来と其れ以外、という発生由来の異なる間葉系幹細胞が存在しているが、それぞれのMSCは全く同じ増殖能と分化能を示し、機能的な差が全く見られないことが明らかになった。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation]2011
Author(s)
松崎有未
Organizer
熊本大学 GCOE特別講演
Place of Presentation
熊本県:熊本大学
Year and Date
2011-02-23
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