2009 Fiscal Year Annual Research Report
病態時の脈管ダイナミックスを制御する血管内皮細胞増殖因子1型受容体シグナルの役割
Project/Area Number |
21390072
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
馬嶋 正隆 Kitasato University, 医学部, 教授 (70181641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 朋恵 北里大学, 医学部, 講師 (20296510)
川村 道子 北里大学, 医学部, 助教 (00154104)
天野 英樹 北里大学, 医学部, 助教 (60296481)
鈴木 立紀 北里大学, 医学部, 助教 (70406940)
北里 英郎 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (90195256)
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Keywords | 血管内皮細胞増殖因子 / tyrosin kinase / ノックアウトマウス / 後肢虚血モデル / 潰瘍治癒モデル / 創傷治癒モデル / 血管新生 / 骨髄機能 |
Research Abstract |
血管内皮細胞増殖因子1型受容体のtyrosin kinase細胞内ドメイン部分を欠失するノックアウトマウスの作出に成功し、実験に供することが可能となった。同ノックアウトマウスは、外見上では野生型マウスのそれと差はなく、litter sizeも野生型マウスのそれと差がなかった。同マウスでは、血管新生が抑制されることが期待され、今年度は、予備実験を、これまでに我々が血管新生が病態の進展に重要な役割をもつことを証明してきたモデル、すなわち1) マウス後肢虚血モデル、2) マウス創傷治癒モデル、3) マウス酢酸潰瘍モデルで行うことができた。1) のマウス後肢虚血モデルでは、レーザードップラーで虚血後肢の血流量を経時的に計測したところ、ノックアウトマウスで有意に血流の回復が遅延していることが観察できた。2) マウス創傷治癒モデルおよび3) マウス酢酸潰瘍モデルでも、ノックアウトマウスで有意に潰瘍、創傷の治癒が遅延していることが観察できた。これらでは上皮、皮膚欠損部分に生成される肉芽組織の生成が強く抑制され、同時に肉芽内の新生血管密度が低下していることが確認できた。血中のstem cell factorやmatrix metaroproteinase-9のレベルが血管内皮細胞増殖因子1型受容体tyrosin kinaseノックアウトマウスでは、低値を示し、骨髄機能(反応性)の低下が推定された。今後は、血管内皮細胞増殖因子1型受容体の骨髄細胞の血管新生巣への動員のメカニズムを検討することを予定している。
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