2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390096
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
本家 孝一 Kochi University, 教育研究部・医療学系, 教授 (80190263)
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Keywords | アンジオテンシン / アルドステロン / カルシニューリン / 遺伝子発現調節 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
副腎皮質球状帯におけるアルドステロンの生合成は、アルドステロン合成酵素CYP11B2によって触媒される。CYP11B2遺伝子の発現は、アンジオテンシンII (Ang II)刺激による細胞内Ca^<2+>濃度の上昇で促進される。カルシニューリン(CN)は、Ca^<2+>で活性化される重要なメディエーターの一つであるので、ヒト副腎皮質細胞H295RにおいてCNがAng IIによるCYP11B2遺伝子発現に関与するかを調べた。その結果、(1)CN阻害剤のサイクロスポリンA(CysA)とタクロリムス(FK506)は、Ang IIによるCYP11B2mRNAの増加を抑制した。(2)活性型CNを強制発現させると、CYP11B2mRNAが増加した。(3)siRNAによってCNをノックダウンさせると、Ang IIによるCYP11B2mRNAの増加を抑制した。(4)hCYP11B2遺伝子の5'-上流領域(-134to+43bp)にルシフェラーゼ遺伝子を繋いだレポーター遺伝子を用いた解析により、CysAとFK506の両者がAng IIによるルシフェラーゼ活性の上昇を阻害した。(5)生きているH295R細胞において、Ang II刺激に伴うCNの活性化を、NFATの構造変換に伴う蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer : FRET)で確認した。以上の結果を総合して、CNはAng IIによるCYP11B2遺伝子発現に関与すると結論した。このメカニズムは、CysA使用時にみられる高血圧症では、血中レニン濃度が高いにもかかわらずアルドステロン濃度は低いことを説明する。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Honke K, Taniguchi N
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Journal Title
The Sugar Code.Fundamentals of Glycosciences(Wiley-VCH Verlag GmbH & Co.KGaA)
Pages: 385-401