2009 Fiscal Year Annual Research Report
長期縦断大規模ゲノム疫学研究による生活習慣病発症の遺伝因子に関するエビデンス構築
Project/Area Number |
21390099
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
三木 哲郎 Ehime University, プロテオ医学研究センター, 教授 (00174003)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)
梅村 敏 横浜市立大学, 医学系研究科, 教授 (00128589)
小原 克彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30260384)
田原 康玄 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00268749)
|
Keywords | 遺伝子多型 / ゲノム疫学 / 生活習慣病 / 肥満 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
我が国最大規模のゲノム疫学コホートを用い、断面的な関連解析で見いだされた疾患感受性遺伝子と各疾患の新規発症、ならびに血圧や体重、血糖値などの臨床検査値の推移との関連を長期縦断ゲノム疫学研究から検討した。その結果、これまでの断面的な研究で肥満との関連が報告されてきたFTO遺伝子が、将来の肥満の発症と関連することを明らかにした。この検討は、愛媛県下の一般地域住民を対象に平均9.4年間体重の変化を観察した長期縦断研究であり、追跡開始当時に非肥満であった1,718例のうち214例で肥満が発症した。肥満の新規発症には、年齢が若いこと(OR=0.968、p<0.001)、正常範囲内での体重高値(OR=3.136、p<0.001)が関連していたが、これらの影響を調整した上でも、FTO遺伝子多型は肥満の新規発症の有意なリスク因子であった(OR=1.456、p=0.031)。FTO遺伝子は断面解析でもBMI(TT型23.2±3.2、TA型23.7±3.2、AA型24.4±3.2kg/m^2、p=2.5*10^<-6>)と相関し、肥満に対するオッズ比は2.07、p=0.002であったことから、特に若年者において肥満のハイリスク者を識別し、早期の予防介入を実施するうえでFTO遺伝子は有用な指標といえた。本研究では、さらなるサンプルサイズの拡大を目指し、愛媛県東温市や滋賀県高島市などで一般地域住民を対象としたDNAサンプルと臨床情報の収集を平行して行い、データベース化を進めた。滋賀県高島地区コホートにおいて、これまでに男性2283名、女性3896名の計6179名の参加同意を得、生活習慣病の発症および死亡について追跡調査を行った。
|
Research Products
(23 results)