2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390106
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
佐々木 功典 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116722)
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Keywords | がん / ゲノム / DNAコピー数 / CGH / WGAS |
Research Abstract |
83例の切除胃癌を対象としてBAC(bacterial artificial chromosome)アレイを用いて、アレイCGH(comparative genomic hybridization)解析を行った。染色体領域20q12-q13と8q24でのコピー数増加が43%の症例で認められた。一方、4q35.2,1p36,4q34,4q12,14q32におけるコピー数減少が33-37%の症例で検出された。DNAの増幅は、17q21.1(癌遺伝子HER2を含む領域)、11q13.3(癌遺伝子CCND1を含む領域)、11q13(癌遺伝子FGF4を含む領域)見られた。得られたゲノムデータを臨床病理学的データと対比することにより、それぞれの臨床病理パラメータと密接に関連するBACクローンを選定した。臨床病理パラメータとしては、治療に直結するリンパ節転移、腹膜播種、肝臓転移、壁進達度(早期癌か進行癌かの区別)、組織型の5項目を選んだ。クローン選択には2種類の方法を用いた。すなわち、決定木(decision tree)による方法と、二群間で統計的有意差があるクローンを選択する方法とを採用し、結果として50クローンを選択した。対照とするクローンを含めて、約100クローンを搭載したミニアレイを設計し、試作した。これによる診断精度は、リンパ節転移、肝転移、腹膜播種、進達度に関して、それぞれ67%、87%、87%、97.6%の一致率であった。 また、大腸がん77例についても同様にCGH解析を行った。20q、特に20q11.21におけるDNAコピー数の増加は症例の70%に見られた。一方、DNAコピー数の減少は18q23で症例の68%に認められた。リンパ節転移と比較すると、8q24.3におけるDNAコピー数増加が最も関係していた(p=3.52319E-05)。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 癌とゲノム2010
Author(s)
佐々木功典
Organizer
第20回日本サイトメトリー学会学術集会
Place of Presentation
東京慈恵医科大学
Year and Date
2010-06-26