2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス因子と宿主因子の細胞レベルの相互作用の解明によるPMLの治療法の開発
Project/Area Number |
21390111
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70261287)
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Keywords | JCウイルス / 宿主因子 / PML |
Research Abstract |
本年度はJCウイルス(JCV)がコードする早期タンパク質であるT抗原(TAg)、および後期タンパク質であるVP1に着眼して研究を推進した。 JCV感染細胞において、TAgの非特異的なDNA結合性が細胞周期に与える影響を検討するため、DNA結合性が低下もしくは増強するTAgの変異体を作成した。次に、これらの変異体を細胞に導入・発現させて細胞周期を解析した。野生型TAgを発現した細胞はG2/M期の細胞が増加していたが、DNA結合性が低下したTAg変異体を発現した細胞はG2/M期への細胞の集積は認められなかった。また、DNA結合性が増強しているTAg変異体を発現した細胞ではG2/M期に集積する細胞数が野生型よりさらに増加していた。本研究により、TAg発現による細胞周期のG2期停止の機構において、TAgが宿主細胞のDNAへ結合することが関与していることが明らかになった。また、JCV感染細胞でTAgの発現によって誘導されるG2期停止は効率的なウイルスDNAの複製に必須であることが判明した。 次に、外郭タンパク質であるVP1内に6個存在するシステイン残基の変異体を作成して、JCVの粒子形成能を比較・検討した。本実験により、VP1タンパク質が互いに結合し5量体を形成すること、5量体の形成過程においてシステイン残基が必須であること、5量体の形成に続いて粒子形成が起こることが明らかになった。これまでJCVの粒子形成の機序は不明であったが、VP1により形成される5量体が粒子形成において重要であることが判明した。本研究により、JCV感染抑制法を開発するための重要な基礎的知見が得られた。その他、JCVのウイルス様粒子を利用したdrug delivery systemの研究にも行った。
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[Presentation] Disruption of intracellular vesicular trafficking by agnoprotein is essential for viroporin activity and JC virus replication.2010
Author(s)
Suzuki T, Orba Y, Makino Y, Okada Y, Sunden Y, Kimura T, Hasegawa H, Sata T, Hall WW, Sawa H
Organizer
10^<th> International Symposium on NeuroVirology
Place of Presentation
Milan, Italy
Year and Date
20101012-20101016
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[Presentation] Cys80 of JC virus capsid protein, VP1 is essential for intrape ntamer disulfide bond and pentamer formation.2010
Author(s)
Kobayashi S, Suzuki T, Igarashi M, Ohtake N, Nakagawa K, Niikura K, Kimura T, Kasamatsu H, Sawa H
Organizer
10^<th> International Symposium on NeuroVirology
Place of Presentation
Milan, Italy
Year and Date
20101012-20101016
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