2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390114
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60291267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 栄夫 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20302218)
木内 喜孝 東北大学, 高等教育開発推進センター, 准教授 (20250780)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 疾患感受性遺伝子 / 遺伝子導入マウス |
Research Abstract |
マウス炎症性腸疾患(IBD)の発症感受性遺伝子の候補としてHVEM(TNFRSF14)を同定した。HVEMは疾患感受性であるC57BL/6系統においで、そのmRNA発現が脾臓と腸管で極めて減弱していた。さらにHVEM遺伝子プロモーターのゲノム塩基配列を決定したところ、C57BL/6系統においてのみ、ある重要な転写因子の結合配列に4塩基欠損が認められた。これらの知見から、C57BL/6系統のOX40L-TgマウスにおいてHVEM発現不全がIBD発症の直接原因である可能性を想定した。 HVEMの人為的な発現回復がIBD発症を抑制できるかどうかを検討するために、C57BL/6系統HVEM遺伝子導入マウスで以下の実験を行った。マウスlckプロモーターを用いてリンパ球特異的に膜型HVEMを発現させたlckHVEM-Tgマウスを作製した。さらに、β-actinプロモーター下に可溶型HVEM(sHVEM-Ig)を全身組織に発現させたsHVEM-Ig-Tgマウスを北大から入手した。これら2種のHVEM-TgマウスとOX40L-Tgマウスとを交配し、2種類のHVEM/OX40L二重Tgマウスを作製した。その結果、lckHVEM-Tg/OX40L-TgマウスではIBD発症の抑制はみられなかったが、sHVEM-Ig/OX40L-TgマウスではIBD発症が有意に抑制された。しかし、現時点でそのIBD発症抑制機序は不明であり、今後、どのような機序でsHVEM-Igが作用してIBDを抑制したかを明らかにしていく。
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Research Products
(5 results)