2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390114
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石井 直人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60291267)
|
Keywords | 炎症性腸疾患 / 疾患感受性遺伝子 / 遺伝子導入マウス |
Research Abstract |
マウス炎症性腸疾患(IBD)の発症感受性遺伝子の候補としてHVEM(TNFRSF14)を同定した。 HVEMは疾患感受性であるC57BL/6系統において、そのmRNA発現が脾臓と腸管で極めて減弱していた。そこで、HVEMの人為的な発現回復がIBD発症を抑制できるかどうかを検討するために、C57BL/6系統HVEM遺伝子導入マウスで以下の実験を行った。Β-actinプロモーター下に可溶型HVEM(sHVEM-Ig)を全身組織に発現させたsHVEM-Ig-TgマウスとOX40L-Tgマウスとを交配し、HVEM/OX40L二重Tgマウスを作製した。その結果、sHVEM-Ig/OX40L-TgマウスではIBD発症が有意に抑制された。また、疾患抵抗性系統であるBALB/c系統においてOX40L-TgマウスとHVEMの受容体であるBTLAを欠損したマウスを交配し、OX40L-Tg/BTLA欠損マウスを作成したところ、本来IBD発症がほとんどみられないBALB/c系統においてもIBDの発症が観察された。 そこで、HVEM-BTLA系がどのような機序でIBD発症抑制に関与するかを明らかにするために、sHVEM-Ig/OX40L-TgマウスおよびOX40L-Tg/BTLA欠損マウスの腸管における種々の免疫反応を、OX40L-Tgマウスのそれと比較検討した。しかし、現時点で有意な免疫学的な差異を見いだすことができず、今後の検討課題である。 また、ヒト潰瘍性大腸炎においてHVEM遺伝子SNPsの解析を行ったが、疾患発症とSNPsに有意な関連は認められなかった。
|
Research Products
(5 results)