2012 Fiscal Year Annual Research Report
TGF-β研究のがん診断、治療、予防への橋渡し研究
Project/Area Number |
21390115
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 光保 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20194855)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | がん / TGF-β / TMEPAI / THG1(TSC22D4) / MafK |
Research Abstract |
トランスフォーミング増殖因子β (TGF-β)の関連遺伝子として同定したTMEPAI, THG-1, MafKが、癌の発生と進展に関わることを明らかとし、その作用機序について解析した。TMEPAIは、TGF-βによって発現が誘導されることを既に明らかにしているが、肺腺癌細胞株では、TGF-βの自己分泌刺激によって、TMEPAIが誘導されていた。また、肺癌細胞株や扁平上皮癌細胞株でTMEPAIをノックダウンすると皮下や肺における腫瘍形成能が大きく低下することを示した。TMEPAIは、TGF-βシグナルによるSmadのリン酸化を抑制しており、ノックダウンするとTGF-βによるSmad2のリン酸化の亢進が見られた。 THG-1(TSC22D4)はTGF-βの標的遺伝子であるTSC22D1のファミリー分子であることから注目した。この分子は、皮膚基底層に特異的に発現しており、食道癌、子宮頸癌、肺扁平上皮癌など扁平上皮癌特異的に発現が亢進し、腫瘍形成や浸潤能を亢進していることを示した。THG-1は、EGF/RAS/ERK経路によってリン酸化され活性化し、がん化を促進していることも明らかとなった。 MafKもTGF-βによって発現が誘導される転写因子であるが、乳癌細胞株は、TGF-β非依存的に恒常的なMafKの発現亢進を示していた。MafKはEMTを誘導し、強力な腫瘍形成促進能と浸潤・転移促進能を示した。MafKがどのような標的遺伝子の発現制御を介して腫瘍形成を促進するかについても解析を進め、また、MafKや重要な標的遺伝子に対する抗体作製も試み、臨床病理学的解析や診断応用への道を開いた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)