2011 Fiscal Year Annual Research Report
組織環境要因としてのNotchLによる細胞系譜決定の分子機構解析
Project/Area Number |
21390121
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
穂積 勝人 東海大学, 医学部, 准教授 (30246079)
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Keywords | Notchリガンド / 分化環境 / 膵臟 / Sox9 |
Research Abstract |
膵幹細胞の維持におけるNotchL:Dll1/Jag1の役割 Cre/loxPシステムを用いた系列追尾実験(1ineage tracing)から、マウス胎生後期における多能性膵未分化細胞はSox9(+)Hnflbeta(-細胞分画に存在することが推察されたが、存在部位やその支持機構については明らかでなかった。Notch系は、未分化能維持機構として機能することが報告されているが、マウス膵臓での幹細胞支持システムとしての寄与については報告されていない。我々は、マウス胎生早期よりSox9(+)細胞を膵上皮組織中に見出し、後期ではHnflbeta(-)あるいは(+)細胞として、それぞれ、腺房中心(centroacinar、CA)細胞とそれ以外の膵管細胞を認めた。 EpCAM(+)CD133(+)DBA(-)画分としてCA細胞が同定されることを示し、同細胞を純化後、凝集培養を行ったところ、すべての膵系列細胞に分化することを確認した。一方、No七chリガンドとしてDll1およびJag1が、胎齢11.5から18.5まで、膵上皮細胞、特に後期ではCA細胞を含む管細胞上に認められた。Dll1は胎生早期(E10.5以前)、Jag1は生後、それぞれ単独で発現することも確認でき、それは各遺伝子を欠失した膵組織にて、それぞれ胎生期、生後に発生異常を示す報告と一致した。そこで、両遺伝子のfloxedマウスをPtfla-Creマウスと交配し、両分子消失における膵幹細胞への影響について調べた。その結果、膵未分化細胞の維持に必須の転写因子:Sox9の発現低下とともに、CA細胞が完全に消失することを明らかにした。すなわち、膵組織構築が完了する胎生後期にて、膵幹細胞としての機能を有するCA細胞は、CA細胞自身あるいはその近傍に存在する管細胞上に発現するNotchリガンド:Dll1およびJag1によって維持されているが示された。
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Research Products
(3 results)