2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390130
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
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Keywords | 自然免疫T細胞 / CD301 / IL-17 / 炎症性腸疾患 / 腸内細菌 / IL-2 |
Research Abstract |
免疫していなくともでもあらかじめ記憶細胞の特徴を有し、感染防御の自然免疫として働くTリンパ球が生体内に存在する。これらのリンパ球は自然免疫Tリンパ球(innate T cell)とよばれ、通常のTリンパ球(conventional T cell)と区別される。TNFレセプターファミリーのメンバーであるCD30はおもに活性化T細胞に発現され、そこからのシグナルはTRAF1,2,3,5を介して、増殖、分化、アポトース抑制などに働く。一方、TNFファミリーに属するCD30Lはマクロファージ/樹状細胞のみならず、活性化T細胞の膜表面に発現されることから、T-T相互作用によるCD30からのシグナルとCD30Lからのリバースシグナルで複雑に制御され、T細胞機能分化や増殖促進、維持に関与しているとか考えられる。今回、CD30L KOマウスおよびCD30KOを用いたin vitroでのT細胞の機能分化実験でCD30L/CD30シグナルが自然免疫T細胞としてのIL-17産生T細胞(Th17細胞)の産生に重要であることを見いだした(J.Immunol 185 :2 222-30, 2010)。CD30からのシグナルはアポトーシスを制御することによって、CD30LからのリバースシグナルはIL-2の産生を抑制することによってTh17細胞の分化増殖を促進することを見いだした。本研究では、CD30L/CD30のT-T相互作用によるナイーブT細胞のTh17細胞への機能分化における分子機序を明らかし、その分子基盤にもとづいて、CD30L/CD30シグナルを標的としたTh17関連炎症性疾患の新規生物学的治療法の開発を行った(J.Immunol. 185 : 7671-80, 2010)
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Research Products
(7 results)