2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390130
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
|
Keywords | 自然免疫CD4+T細胞 / CD30L / Listeria monocytogenes / IFN-gamma / 感染防禦 / IL-12/IL-15 |
Research Abstract |
免疫していなくともでもあらかじめ記憶細胞の特徴を有し、感染防御の自然免疫として働くTリンパ球が生体内に存在する。これらのリンパ球は自然免疫Tリンパ球(innate T cell)とよばれ、通常のTリンパ球(conventional T cell)と区別される。TNFファミリーに属するCD30Lはマクロファージ/樹状細胞のみならず、活性化T細胞の膜表面に発現されることから、T-T相互作用によるCD30からのシグナルとCD30Lからのリバースシグナルで複雑に制御され、T細胞機能分化や増殖促進、維持に関与していると考えられる。今回,CD30Lノックアウト(KO)マウスが、リステリア(Listeria monocytogenes)の腹腔内感染に対して、野生型に比し生存率が低下することを示した。感染後3日目における菌量は、野生型に比べCD30LKOマウスでは腹腔内、肝臓、脾臓で有意に多かった。感染3日の腹腔内のγインターフェロン(IFN-γ)はCD30LKOマウスで有意に低下していたが、IL12p40及びTNF-aに野生型と差を認めなかった.感染3日目の腹腔内ではIFN-γ+CD44+CD4+T細胞数がCD30LKOマウスで有意に低かった。野生型マウスに抗CD4抗体を投与してD4+T細胞を欠損させてリステリアを感染すると感染3目目の腹腔内のIFN-γが低下して菌数が増加した.腹腔内に存在するメモリー型CD44+CD4+T細胞(MPCD4+T細胞)はinvitroにおいてリステリア抗原には反応しなかったがIL-12, IL-15に反応してIFNγを産生した。CD30LKOマウスでは、野生型に比べ、IL-12, IL-15の反応性が有意に低下していた。さらに、アゴニストである抗CD30抗体をCD30LKOマウスに投与すると、リステリア感染に対する防御能が改善し、一方で可溶性CD30-Igを野生型に投与してCD30L空のシグナルを阻害すると防御能が低下することが分かった。CD30L/CD30のシグナル伝達はリステリア感染において、自然免疫CD4+T細胞を介した防御機構に重要な役割を果たしていると考えられる。
|
Research Products
(5 results)