2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390131
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉田 真一 九州大学, 医学研究院, 教授 (60128113)
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Keywords | レジオネラ / Legionella pneumophila / Legionella oakridgensis / 細胞内増殖 / Legionella dumoffii / 小胞体 / 低温 |
Research Abstract |
1.レジオネラ属の細菌はヒトに感染後はマクロファージの中で37℃で増殖する。しかし自然環境下ではアメーバなどの細菌捕食性原虫の中で、より低い温度で増殖しており,低温下でのアメーバ内増殖を可能にするメカニズムが働いている。我々は以前L.dumoffiiのプラスミド上にあるnickaseが低温でのDNAの増幅(さらには菌の増殖)に必要であることを報告した。一方、ShumanらはL.pneumophilaのtype 4 secretion systemを構成するタンパク群の1つをコードする遺伝子であるとるがマクロファージ内での増殖には必要とされないが、アメーバ内での増殖には必要であると報告した。しかし、これはホスト細胞の違いによるものではなく、ホスト細胞を培養する温度の違いによるのではないかと、われわれは考えicmNの低温下での役割について検討した。その結果icmNから下流の遺伝子はオペロンとなっており、さらにicmNからはsecondary promotorが作動していることがわかった。icmN KO株でも37℃で細胞内増殖が起こるのはこのためであった。しかし、25℃ではicmN KO株のアメーバ内増殖は全く起こらなかった。このことより、icmN KO遺伝子産物が低温(25℃)での増殖に必須であることが明らかとなった。 2.Legionella oakridgensisは上皮細胞、マクロファージ系細胞、アメーバの中で増殖できるが、特にvero細胞の中では細菌細胞が束となってつながる形態、いわゆる「ヘビ状増殖」を呈する。この形態は最初核を取り囲むように伸長し、しだいに細胞質内でヘビ状増殖を呈す。私たちはこの特異な増殖形態がホスト細胞の小胞体内でおこっていると推察し、現在その可能性につき検討している。
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