2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390136
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
山岡 昇司 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (90263160)
|
Keywords | HIV / 細胞因子 / ウイルス複製 |
Research Abstract |
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)の感染メカニズムを解明する目的で、ヒト培養細胞株にヒト由来cDNAを発現させて感染抵抗性となる細胞から遺伝子情報を回収する実験を行った。HEK293細胞にヒトT細胞株であるMT-1由来cDNA発現ライブラリーをマウスレトロウイルス(MLV)ベクターによって導入し、cDNAを発現する293細胞プールを複数作製した。ganciclovir存在下に自殺遺伝子として働くヒト単純ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ(HSV-TK)遺伝子をHIV-1分子クローンNL4-3のnef遺伝子部分に組み込んだNL4-3-TKウイルスを、上記293細胞プールにVesicular stomatitis virus glycoprotein(VSV-G)を用いて感染させ、その後ganciclovirを添加して非感染細胞を選択する過程を繰り返したところ、HIV-1感染感受性が著しく低下した細胞株を樹立することができた。得られた細胞クローンでHIV-1感染感受性が低下していることは、HSV-TKの代わりにルシフェラーゼ・レポーター遺伝子をもつNL4-3-lucウイルスの感染性から確認し、VSV-Gによる侵入段階が阻害されているのではないことはAmphotropic MLVエンベロープを代わりに用いることで、HIV-1複製が逆転写完了前で阻害されていることはウイルス由来DNAの経時的定量PCRで証明した。得られたcDNAは、シークエンスにより塩基配列を決定した。cDNA発現ライブラリーを導入した異なる293細胞プールから、長さは異なるが同一種cDNAが回収された。このcDNAを293細胞に強制発現させると、感染抵抗性が再現できた。現在、感染抑制メカニズムを解明中である。
|
Research Products
(5 results)