2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本田 賢也 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60334231)
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Keywords | Th17細胞 / Treg細胞 / 腸内細菌 / サイトカイン / IL-10 |
Research Abstract |
腸管局所の免疫系は、腸内細菌叢の存在によって強く影響を受ける。腸内細菌は、それぞれがそれぞれ異なる特性を持ち、あるものは免疫系を抑制し、あるものは活性化すると考えられている。消化管にはinterleukin(IL)-17産生性のT細胞(Th17細胞)と制御性T細胞(regulatory T細胞、Treg)が多数存在していることから、それぞれ特異的にTh17細胞・Treg細胞の分化を促進している腸内細菌が存在していると考えられている。実際、同じ系統のマウスでも、飼育施設間によってTh17細胞・Treg細胞の数が異なることが分かった。そこで本研究においては、ある特定の細菌のみを定着させたノトバイオートマウスを多種類作成し、TH17細胞とTreg細胞分化に強く影響を与える腸内細菌をスクリーニングした。それにより、小腸においてTh17細胞数を劇的に増加させる細菌としてセグメント細菌(segmented filamentous bacteria)を同定した。セグメント細菌は腸内常在菌であるが、ジャクソン研究所のマウスはこれを持たないためTH17細胞数が非常に少ないことも分かった。更に、セグメント細菌が存在しTh17細胞数が増加すると病原性細菌に抵抗性を持つことも分かった。これらを論文として報告した(Cell 139,485-98,2009)。一方Treg細胞分化にも焦点を当て研究を進めた。特にIL10遺伝子領域にVenus蛍光タンパクをノックインしたレポーターマウスを作成し、更に無菌化した。それにより、Treg細胞の中でもIL10を産生する細胞は、消化管粘膜においてのみ存在しており、特に大腸においては、その誘導が消化管常在菌によって促進されていることを見いだした。さらにノトバイオート作成により、強力にTreg細胞分化誘導能を持つ細菌の同定に成功した(論文投稿中)。
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