2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニッチ特異的ノッチシグナルにより細胞系列決定の分子機構-T細胞をモデルとして-
Project/Area Number |
21390154
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
垣生 園子 Juntendo University, 医学部, 客員教授 (30051618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 啓子 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20053374)
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
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Keywords | 免疫学 / 胸腺ノッチ / T細胞分化 / ノッチシグナル |
Research Abstract |
本研究ではニッチ特異的分子により未熟細胞が特定細胞系列に分化する機構解明を目指して、T細胞系列の分化をモデルにNotchシグナルの下流にある標的遺伝子の同定とそのエピジェネティックスな変化を指標にアプローチする。本年度は、胸腺内未熟細胞の分化に不可欠なNotchおよびTCRシグナルを付与する実験系を基盤として進め、以下の成果を得た。(1) Notchシグナルの下流に位置することが想定されているRunxl転写因子の過剰発現によりCD4-8-(DN)胸腺細胞はその一段階上のCD4+CD8+(DP)細胞への分化が阻止された(H22年Immunologyに発表)。(2) Notchシグナルを導入する複数のリガンド間の誘導機能の違いを、キメラ分子作製により検索し、その差異は細胞外ドメインでなく細胞内ドメインにあること、およびその機能の違いはL-fringeによる糖転移を受けたNotchとの親和性の違いにより生じることが示唆された(Eur. J. Immunolに投稿中)。(3) TCRシグナルの持続時間の差により、CD4およびCD8への分化と共にRunz3の発現を調節できる細胞株を得た。今後は同細胞株を用いて、GATA3を含む他の下流転写因子の解析を行う。
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