2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニッチ特異的ノッチシグナルにより細胞系列決定の分子機構 ーT細胞をモデルとしてー
Project/Area Number |
21390154
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
垣生 園子 順天堂大学, 医学部, 客員教授 (30051618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 啓子 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20053374)
佐竹 正延 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (50178688)
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Keywords | 免疫学 / 胸腺ノッチ / T細胞分化 / ノッチシグナル |
Research Abstract |
本研究では、胸腺内T細胞分化過程におけるRunx1およびGATA3発現の変移とNotch1発現の関連を解析した。 (1)T細胞分化におけるNotchシグナルの下流因子としてGATA3とRunxファミリーに焦点を当てて解析し、以下の結果を得た。(1)胸腺に移入したリンパ球は、NotchシグナルによりT細胞系譜にコミットした最も未熟な分化段階DNステージで転写因子GATA3及びRunx1の高発現が誘導されるが、その後DPステージに分化が進むと、Notch1発現の低下と共にそれらの発現は低くなった。同時にNotchシグナルにより誘導されるHes-1等の転写因子発現も同様な傾向を示した。(2)Runx1の発現低下と分化の関連を検索する目的でRunx4過剰発現させると、DNからDPステージへの分化と増殖は抑制された。T細胞系譜にコミット後の分化過程に発現したRunx1は抑制的に作用するので、上流にあるNotchシグナルの減少がその発現の抑制に寄与すると翻された(Immunology,2010)。(3)GATA3及びRunx-1齢子は2つのプロモータ噸域をもち、共に胸腺内での発現には末梢T細胞と異なる片方の領域のみを使用することが判明した。(4)また、胸腺ニッチを形成する特異的Notch Ligand(L)の性状について解析した結果、NotchLに種類によってシグナルの強さが変わることを見い出したEur. J. Immunol, 2010)(2)Notchシグナルと造血幹細胞の生存維持に関する研究では,骨髄特異的にヒトNotchリガンド遺伝子を発規するトランスジェニックNOGマウス(hD1-NOGおよびhJ1-NOG Tgマウス)を樹立した。後者では移植ヒト謄帯血幹細胞が効率良く増殖・維持された。ヒト造血腫瘍細胞におけるcancer stemcelの解析やNotchシグナルの腫瘍化へのin vivoモデルとしても有用である。
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