2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390155
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大野 博司 独立行政法人理化学研究所, 免疫系構築研究チーム, チームリーダー (50233226)
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Keywords | M細胞 / RANKL / マイクロアレイ / miRNA / Dicer / GPIアンカータンパク質 / Citrobacter rodentium |
Research Abstract |
(1)M細胞分化の分子機構の解析 RANKLにより、腸管絨毛上皮に異所性にM細胞が誘導されることを利用して、M細胞の分化に重要と考えられる転写因子Spi-Bを見出した。しかし、Spi-B遺伝子の発現はM細胞誘導の中~後期に上昇が認められることから、M細胞文化の初期に働く他の転写因子の存在が示唆された。そこで、RANKL投与後初期(1-6時間)のマウス書雨腸上皮細胞を経時的に回収してマイクロアレイにより遺伝子発現解析を行うことにより、RANKL投与後より早期に発現上昇する転写因子群を取得中である。 また、miRNA産生に必須な分子Dicerの腸管上皮特異的欠損マウスでは、M細胞の数が顕著に減少していた。電子顕微鏡による詳細な形態学的検討の結果、当該マウスではM細胞内のエンドソームが減少していること、また上皮直下に、野生型マウスでは通常見られない死細胞が多く観察されることが明らかとなった。 (2)M細胞の機能解析 ジフテリア毒素(DT)あるいはDT受容体(DTR)KIマウスは樹立された。しかし、これらのマウスM細胞において、ノックインしたDT,あるいはDTRの発現は確認できなかった。これは、ノックインした遺伝子の構造が適正ではなかったタメと考えられた。 腸管上皮特異的GPIアンカー蛋白質欠損マウスにCitrobacter rodentiumを感染させたところ、野生型に比べて菌の排除が遅いことがわかった。これは、欠損マウスの上皮細胞の増殖速度が遅いことに起因することが示唆された。
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Research Products
(11 results)