2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390156
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石戸 聡 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, チームリーダー (10273781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 栄治 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, 研究員 (40435649)
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Keywords | MHC class II / ユビキチン化 / 樹状細胞 / 遺伝子改変マウス / アポトーシス |
Research Abstract |
MHC class II (MHC II)は非感染状態(すなわち恒常状態)にてユビキチン化されており、その細胞表面における発現が制御されている。我々は、MHC IIのユビキチン化消失により樹状細胞の分化、機能に異常が生じる事を見出した(2009年度にJI cutting edgeに報告済みである)。これらの事から、MHC IIはユビキチン化を介した新たな制御機能、すなわち抗原提示細胞である樹状細胞を制御する機能を持っていると考えられる。従って、現在、この新たな制御機構を解明する為に、MHC IIのユビキチン化消失によって生じる異常の分子機序の解明を行なっている。この分子機序を詳細に検討する為に、我々は二つのマウスモデルを作成した。一つは、MHC IIのユビキチン化酵素であるMARCH-Iがタモキシフェン(OHT)で欠損する事により、MHC IIのユビキチン化が消失するマウス(MARCH-I conditional KO : MARCH-I cKO)、もう一つは、OHTによってユビキチン化されないMHC IIに置き替わり、MHC IIのユビキチン化が消失するマウス(MHC II conditional KI : MHC II cKI)である。これらマウスを用いて次の結果を得た。(1)MARCH-Iの欠損により樹状細胞がアポトーシスによって死滅する。(2)アポトーシスはMHC IIのユビキチン化消失によって誘導される。(3)MHC IIのユビキチン化消失による樹状細胞のアポトーシスはin vitroでは起こらないが、in vivoでは起こる。(4)アポトーシスにはカスパーゼの活性化が関与する。これらの事から、MHC IIユビキチン化の消失した樹状細胞は、in vivoに存在する細胞との相互作用によって、カスペース依存性のアポトーシスを受けると考えられる。現在、相互作用しうる細胞の同定を行ない、詳細なアポトーシス誘導機構に迫っている。
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Research Products
(7 results)