2010 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者のサバイバーシップ:地域・職場・学校における支援強化に向けて
Project/Area Number |
21390158
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 都 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (20322042)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
小林 真理子 国際医療福祉大学, 大学院・医療福祉学研究科, 准教授 (70383106)
丸 光惠 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 教授 (50241980)
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Keywords | がん / サバイバーシップ / 親のがん / がんイメージ / 教育現場 / 精神腫瘍学 / 性科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がんサバイバーが地域社会の中で自分らしい暮らしを実現するための課題を把握し、日本の社会文化的背景や医療システムに基づいた対策を提言することである。平成22年度に実施した研究は以下のとおりである。 研究1.親ががん治療を受ける子どもに向けた、学校における支援に関する研究 海外のがん支援団体が学校関係者用に提供している資料やワークショップ教材の収集と分析を実施。具体的には、イギリス最大手の非営利支援団体であるMacmillan Cancer Supportによる教師向け教材"Cancer Talk Teaching Pack"、 及び学年別教材の"Key Stage Activities"ほかを翻訳した。イギリスの教育事情に基づいた教材のわが国への応用可能性を議論し、来年度計画する国内の教員向け資料の基礎資料とした。 研究2.日本人のがん5年生存率イメージ調査 国内に居住する一般市民3021名(成人調査モニター約69万人の中から、年齢・性別・居住地を国勢調査データに準拠した構成割合で無作為抽出)を対象としたインターネット調査を実施し、一般市民が抱くがん種別5年生存率イメージおよび生涯がん罹患率のイメージを質問した。有効回答数2369(有効回答率79.9%)。回答者の平均年齢は50.5歳。回答者は「すべてのがん」の5年生存率を約5割と回答。地域がん登録に基づく疫学データでは予後が良好な甲状腺がん(5生率92%)、精巣がん(同92%)、乳がん(同86%)などのがん種についても、その5年生存率を4-6割と回答しており、医学的事実と一般市民のがんイメージの乖離が明らかになった。 研究3.小児がんサバイバーと家族に関する文献研究 小児がん発病が家族機能に及ぼす影響、特に親の心理的変化に関する文献レビューを実施し、学会発表を行った。
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Research Products
(23 results)