2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性肺疾患の発症分子機構の解明と新たな治療法の探索
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21390172
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
粕谷 善俊 千葉大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (70221877)
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Keywords | 炎症性肺疾患 / COPD / 間質性肺炎 / 肺胞II型上皮細胞 / p38 / 肺由来幹・前駆細胞 / CD69 |
Research Abstract |
<炎症性肺疾患モデルマウスの作出と解析> COPD:COPDの病態進展系譜に則したモデルマウスの樹立を目指し、Tet誘導性の肺胞特異的にp38活性を上昇しうるトランスジェニック(TG)マウス:TRE-MKK6-c.a./tTS/SP-C-rtTAマウスを作出し、ドキシサイクリン(Dox)を飲水させたが、リポーター遺伝子の発現は確認できるものの、肺気腫化の確認には至らなかった。そこで、昨年度のrtTAの発現頻度の高いSP-C-rtTAマウスの作出に続き、新たに10ラインのTRE-MKK6-c.a./tTSを作出し、導入遺伝子のコピー数の頻度に準じて、4つに分別した。また、タバコ煙溶液とLPSを連続投与し肺気腫を誘導する系で、SP-C-MKK6c.a.TGマウスがWTマウスに比べ重傷化する事を見いだした。 間質性肺炎:ブレオマイシン(Bleo)負荷による肺線維症の成立に肺胞II型上皮細胞(AECII)内のp38活性が密接に関与する事を、SP-C-p38d.n./SP-C-MKK6c.a.の2つのTGマウスを用いて見いだしたが、そのメカニズムの1つとして、AECIIにおけるIL-6の放出に準じたG-CSFおよびMCP-1の産生誘導が介在する事を、初代培養AECIIを用いて突き止めた。 炎症性肺疾患に関わる分子として着目するCD69について、そのKOマウスを用いて、CD69が、タバコ暴露急性炎症モデル、Bleo誘導性間質性肺炎モデルにおいて、その成立にpositiveに関与する事を発見した。 <肺由来幹.前駆細胞の簡便な調整法の樹立> 肺を酵素消化することにより得た初代培養細胞群(mix culture)から、自己複製能を有したspheroid様易浮遊性細胞を回収・蛍光標識し、LPSによる急性肺傷害マウスに気管内移植すると、生着するだけでなく、少なくともI型上皮細胞に分化することを見いだした。
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