2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390190
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清原 千香子 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00169963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 洋一 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20172356)
高山 浩一 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (50274444)
堀内 孝彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 准教授 (90219212)
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Keywords | 肺がん / ゲノム疫学 / 遺伝子多型 / 国際共同研究 / 交互作用 / 喫煙 / 炎症 |
Research Abstract |
2004年より開始されたInternational Lung Cancer Consortium (ILCCO)国際共同研究の一環として、日本人肺がんにおける炎症反応関連遺伝子の役割と喫煙と炎症反応関連遺伝子多型の交互作用を明らかにすることを目的として行われた。本年はIL1B rs16944、rs1143627、rs1143634と肺がんとの関連性について検討した。いずれの遺伝子多型もHardy-Weinberg平衡からのずれは認められなかった。 rs16944は、CC多型あるいはTC型のTT型に対する調整オッズ比(OR)は2.53(95%信頼区間(CI)=0.72-8.88)および1.44(95%CI=0.44-4.67)であった。Cアレルは肺がんリスクの上昇に関連していた。CC型の(TC+TT)型に対する調整オッズ比は1.96(95%CI=0.77-5.00)であり、統計学的には有意ではないが、肺がんリスクの高まりに関連していた。rs1143627は、Tアレルが肺がんリスクの上昇に関連しており、リスクアレル数と肺がんリスクとの間の傾向性は有意であった(P=0.02)。TT型は(CC+TC)型に比べて肺がんリスクは355倍(95%CI=1.24-10.2)高くなっていた。rs1143634はTアレルが肺がんリスクの上昇に関連していたが、rs16944と同様に有意な関連性は示さなかった。肺がんとの有意な関連性が認められたrs1143627と喫煙との交互作用について検討した。喫煙者でTT型を有する者では肺がんリスクは9.17倍(95%CI=1.94-43.4)上昇していた。相乗的交互作用は有意ではなかったが、相加的交互作用は有意であった。つまり、喫煙者でTT型を有す者の肺がんリスクの高まりの69%(95%CI=17-121%)は相加的交互作用に起因していた。
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