2011 Fiscal Year Annual Research Report
穏やかな人生の最終章のために-公衆衛生学・法医学・法学等学際的アウトカム研究拠点
Project/Area Number |
21390202
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田宮 菜奈子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20236748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本澤 巳代子 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70200342)
中谷 陽二 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30164221)
本田 克也 筑波大学, 医学医療系, 教授 (00240789)
高橋 秀人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (80261808)
宮石 智 岡山大学, 大学院・医学薬学総合研究科, 教授 (90239343)
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Keywords | 介護保険 / 高齢者 / 終末期 / 法医学 / 法学 |
Research Abstract |
1.法医学視点からの分析:過去の剖検記録データの整備:データベース整備を進め、各種集計をしうるシステムを整えた。 死体検案事例の検証:検案事例による死亡から発見までの時間をアウトカムとしたcox regression分析については、英文論文化し国際雑誌に投稿中である。また、検案事例データベースにおいては、7年間の高齢者の自過失死の経過の分析を行った。後期高齢者・男性・非独居世帯・過疎地域に多く、原因は転落が半数以上、次いで誤嚥であった。関連動作は、仕事関係、次いで入浴、食事であった。仕事関係の中では、農作業中の事故死が最多であった。農業用トラクター等の機械事故がほとんどであり、高齢者の農作業における危険が明らかになった。 2.在宅看取りのあり方についての実証研究:多死社会を迎え、現在の約4倍を病院以外で看取る必要がある我が国では、在宅での看取りを支える体制の整備は重要な政策課題である。そこで、茨城県内の全訪問看護ステーションのうち1年間に死亡者がいなかった施設(N=6)を除いた69施設を分析対象とし、在宅看取り率との関連要因を調査した。その結果、病院に併設されていないこと、在宅療養支援診療所と連携している、訪問看護指示書を発行した主治医と電話・対面での情報交換が十分できている施設ほど、在宅看取り率が高かった。論文投稿中。 3.施設での看取りにおける死の質向上のための方策:施設での看取りも推進されており、その質の向上が課題である。その中、死後の入浴(湯灌)を実施している施設の実態および職員の認識を調査し、死後のケアを通して、家族・家族のとっての死の受容の過程としての意義、人生最後のケアの意味を再認識できるプロセスとしての意義などが示され、施設における死の質に寄与しうる知見を得た。論文投稿中。
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Research Products
(6 results)