2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢一卵性双子1220組の老化遺伝子発現差からみた健康寿命決定分子機構の解明
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21390205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 和生 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70142594)
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Keywords | 高齢双子 / 老化防止 / 老化遺伝子 / 生活環境 / ライフスタイル |
Research Abstract |
当教室のコホート研究にかねてより協力を得ている高齢一卵性双生児の居住地が北海道から九州まで全国的に広く散在していることから、本年度は、近畿地方と愛知県、三重県、岐阜県等の中部地方在住者を対象に自発的に総合的健診を希望するものに大阪大学病院に来院を求めて総合的健診を実施した。 また同時に、ライフスタイルや生活環境因子について、ブレスローのライフスタイル指標などを応用して多面的にライフヒストリーを含め環境関連データを収集した。更に自宅訪問による説明を希望するものについては、自宅訪問を実施し、インタビュー形式により生活関連情報を聞き取った。生活環境因子の調査項目としては、栄養摂取(BDHQ-1-1-L)、運動量、職業歴、飲酒量、嗜好品、ストレス尺度、性格テスト、人生満足度テスト、肥満度等について調査を実施した。 また本研究では、目的とする老化遺伝子は長寿遺伝子であるSirt1、Klotho、AMPK等および寿命抑制遺伝子のmTOR,IGF-1,Clock等である。その他に、ハウスキーピング遺伝子も同時に測定して相対定量を行った。更に、目的とする老化関連遺伝子のメチル化率を解析し、リアルタイムPCR法によって得られた老化関連遺伝子の発現量と同遺伝子のメチル化の頻度からメチル化と遺伝子発現との関連を解析した。同時に、高齢一卵性双生児のライフスタイルや生活環境因子に関して収集したデータから老化関連遺伝子ごとに高齢一卵性双生児ペア内でメチル化率の差異とライフスタイル因子との関連を検討した。また、疾患感受性遺伝子[JAZ1(糖尿病)、MTHFR(高血圧)など]の遺伝子多型をRFLP法TapMan,PCR法、ダイレクト市区円ス法などで解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象となる高齢双生児はかねてより協力を得ていた高齢双生児ペアで、大阪大学病院での総合的健診調査にも積極的な協力を得ることができた。また検診のため来院する際にも高齢双生児ペアの家族の付添いが同時に得ることができスムーズな検診調査が可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本研究事業にて最も重要な総合的検診の対象を更に広く全国的に拡大し、北海道、九州地方、中国・四国地方、関東地方、東北地方へと順に高齢双生児を対象にした検診を実施し、臨床データおよび疫学的データの収集を充実させる。これら収集した各種データをデータベース化して本格的な数理解析にも活用できるようにし、海外でも例のない極めて貴重な高齢一卵性双生児の大規模データベースの確立を進めることを推進方策としている。
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Research Products
(3 results)