2012 Fiscal Year Annual Research Report
高齢一卵性双子1220組の老化遺伝子発現差からみた健康寿命決定分子機構の解明
Project/Area Number |
21390205
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 和生 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70142594)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 双生児 / 老化予防 / 老化遺伝子 / 生活環境 / ライフスタイル |
Research Abstract |
研究の目的: 人間の高齢期に見られる老化現象や様々な生体現象は、遺伝要因と環境要因の相対的影響下において進行することが多い。双生児研究法は、遺伝と環境が複雑に絡み合う健康問題において非常に有力な研究法とされている。特に、高年齢に達した一卵性双生児は、生活歴やライフスタイルがペア内で大きく異なっているペアが数多くみられることから、遺伝素因が同一でありながら異なった環境で長年生活した場合の老化度や健康度の差異を比較することが可能となる。実際に、老年期認知症や糖尿病などにおいてペアの片方のみが発症し、他方は正常な一卵性ペアは非常に数多く見られる。これら不一致の一卵性双生児についてペアの各々が生きてきたライフコースとライフスタイル上の差異を詳細に調べることにより、非常にユニークで予防医学上極めて有益な地検を得ることが可能である。本研究では、健康寿命決定分子機構の解明を主たる目的に、特に老化関連遺伝子としてあきらかになっているSirt 1遺伝子やKlotho 遺伝子および老年期疾患遺伝子について、エピジェネティック分子生物学の手法を用いて、一卵性双生児の同胞間比較から遺伝子のメチル化や脱メチル化に関与するライフスタイルや環境因子を解明することを目的にしている。 本年度の研究実施計画と成果: 平成24年度においては、かねてより当教室のコホート研究に協力を得ている高齢双生児の内、近畿地区在住者、中部地区在住者、東北地区在住者の内、大阪大学医学部付属病院にて各種臨床検査を含む総合的な検診を自主的に希望する242名の高齢者について詳細な総合的検査を実施することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者である高齢双生児の協力が順調に得られており、非常に貴重な血液検体やライフスタイル因子、栄養調査、生活環境要因等のデータも得ることができた。データの蓄積が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、研究協力を得た高齢双生児から収集した検体についてエピジェネティック分子生物学的手法による解析を進めることにより、老化遺伝子であるSirt 1 遺伝子やKlotho 遺伝子のメチル化および脱メチル化に関与する環境因子やライフスタイル因子の解明を進める。
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Research Products
(3 results)