2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390208
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
兼板 佳孝 Nihon University, 医学部, 准教授 (40366571)
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Keywords | うつ状態 / 中学生 / 高校生 / 睡眠 |
Research Abstract |
本研究課題は思春期の抑うつ状態の有病率と罹患率を明らかにすると共に、その危険因子を同定することを目的とする。そのために、全国より無作為に抽出した中学校、高等学校の在籍生徒を対象に自記式質問票調査を用いたコホート疫学研究を実施するものである。調査はベースライン調査を1年生時点で、フォローアップ調査を3年生時点で実施する予定である。平成21年度は、平成22年度の10月に実施する調査の参加校を確保するために、全国より抽出した170校の中学校、高等学校に研究の趣旨を説明し、協力を要請した。平成22年3月31日時点で、25校より調査に協力してもよいとの回答が得られた。対象生徒数は約5800人と推定される。また、平成21年度には、ベースライン調査で用いる自記式質問調査票を作成した。質問として、生徒の睡眠習慣、抑うつ度、食習慣、クラブ活動、テレビの視聴時間、携帯電話の使用、保健室の利用などの35項目を設定した。 平成21年度は、上記の研究に加えて、東京都内の1,189人の高校生を対象とした既存のコホート調査データを分析した。高校1年生から3年生の間で睡眠障害(ピッツバーグ睡眠質問票6点以上)の発生は44.4%に認められた。同様に2年間で日中の過剰な眠気(エプワース眠気尺度11点以上)を発症した者は32.7%であった。また、睡眠障害の発症には「日中の過剰な眠気を有していること」と「コンピュータゲーム使用習慣があること」が有意に関連しており、日中の過剰な眠気の発症には、「睡眠障害があること」と「眠る前の軽度な運動習慣がないこと」が関連していた。
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