2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21390208
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
兼板 佳孝 大分大学, 医学部, 教授 (40366571)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 抑うつ状態 / 中学生 / 高校生 / 睡眠 |
Research Abstract |
本研究課題は思春期にある中学生と高校生の抑うつ状態の新規発症率を明らかにするとともに、その危険因子を同定することを目的とした。特に、睡眠問題が抑うつ状態発症に及ぼす影響について検証することを主要な目的とした。方法として、全国より無作為に抽出した中学校と高等学校の在籍生徒を対象に自記式質問調査票を用いたコホート疫学研究を実施した。具体的には、協力校に在籍した中学生と高校生を対象に、ベースライン調査を平成22年度の1年生の時点で実施し、フォローアップ調査を平成24年度の3年生の時点で実施した。2回の調査のいずれにも参加した学校は、中学校7校と高等学校13校であり、このうち2回の調査ともに回答した生徒は3,473人(中学生776人、高校生2,697人)であった。2回の調査を通じての回収率は全体で61.1%、中学生で59.5%、高校生で61.5%であった。観察期間中のうつ状態の新規発症率は中学生で17.4%(95%信頼区間:14.2%-20.6%)、高校生で23.1%(95%信頼区間:21.0%-25.2%)であった。多重ロジスティック回帰分析の結果、中学生において、うつ状態の発症に促進的に関連する要因は、「運動部の活動に参加していない」、「学校外の勉強時間が1日2時間以上である」の2項目であった。中学生においては、睡眠問題と抑うつ状態発症の有意な関連性は認められなかった。高校生においては、抑うつ状態の発症に促進的に関連する要因は、「女性」、「入眠障害を有する」「睡眠の質が悪い」、「食欲が悪い」、「テレビの視聴時間が1日2時間未満である」、「いじめの被害がある」「理解者がいない」の7項目であった。高校生においては、入眠障害と睡眠の質が、抑うつ状態発症の危険因子となることが示唆された。高校生の精神保健を進める際には、睡眠について着目することが重要であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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