2011 Fiscal Year Annual Research Report
高齢男性の健康生存期間に対する既存椎体骨折と循環器リスク要因の個別影響と複合影響
Project/Area Number |
21390210
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10124877)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 骨折 / 骨密度 / リスク要因 / コホート研究 / 骨代謝マーカー / 高齢男性 |
Research Abstract |
本研究はこれまで十分な対策の執られてこなかった男性骨粗鬆症に関する大規模コホート研究である。骨粗鬆症性骨折を防ぐために必要な付加/増強可能な予防要因と除去/低減可能なリスク要因を把握すると共に、循環器疾患や糖尿病との疾病連関も考慮して、有効で包括的な元気高齢者実現対策、並びに男性骨粗鬆症対策を提案することを目的とする。Baseline調査は平成19-20年に完了し、21年度から2159人の追跡を開始し、23年度末までに以下の調査研究を実施した。 (1)Baseline時の脊椎のデジタル画像解析による椎体骨折の判定を実施したが、椎体後縁のpointingに問題が見つかり、見直し作業を余儀なくされ、判定は完了しなかった。 (2)循環器疾患と骨粗鬆症をつなぐキーとなる要因として、baseline時点の血清を用いてホモシステイン、高感度CRP、ペントシジンを測定した。 (3)2153人について平成23年3月末現在での生死が判明し、死亡者は64人であった。 (4)追跡期間中の症候的骨折をアンケートと電話で調査したところ、対象者の96.4%で確認がとれ、平成22年6月末までの新規骨折者は32人であった。 (5)骨折と死亡をアウトカムにし、Baselineでの骨密度、CKD、糖尿病、循環器リスク要因の個別影響と複合影響を解析した。 以上より、追跡期間中の新規骨折の予測要因は低骨密度だけだったが、死亡には加齢、高感度CRP高値、並びに新規骨折が影響していた。中でも骨折は粗HRで17.9、多変量調整後も12.9の強い影響を持っていた。高齢日本人男性では骨折は極めて重要な死亡のリスク要因であることが明らかになった。
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