2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の健康アウトカムを予測する血清β2ミクログロブリンの意義とその機序
Project/Area Number |
21390212
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
新開 省二 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究部長 (60171063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究副部長 (50332367)
吉田 裕人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 研究員 (40415493)
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Keywords | 高齢者 / 健康アウトカム / β2ミクログロブリン / 予測因子 / 死因別死亡 / 体力 |
Research Abstract |
本年度は、既存データを用いて血清β_2ミクログロブリン(β_2-M)と体力との関連を分析するとともに、縦断調査を継続する計画であった。 1. 縦断調査の継続 1) TMIG-LISA対象者のうち2009年時点の生存者について転帰調査(生・死、転居の確認)を実施した。 2) 草津縦断研究において医学健診を実施し65歳以上住民約560名のデータを入手した。 2. 血中β_2-Microglobulin(β_2-M)と主要死因別死亡との詳細分析 血清β_2-Mと体力との関連分析は、現在まとめ中である。代わりに、追跡期間を延長しアウトカムを増やし、血清β_2-Mと主要死因別死亡との関連を詳細に分析したのでここに報告する。TMIG-LISAの初回調査を受けADL障害がないと判定された高齢者(≧65歳)1,048人を、その後10年間追跡した。この間の死亡例については指定統計目的外使用の許可を得て原死因を特定し、がん、循環器疾患、その他に3分類した。初回調査時の血清β_2-M濃度を男女別三分位にわけ、Kaplan-Meiyer法により生存曲線を比較し、さらにCox比例ハザードモデルを用いて各死因との独立した関連性を調べた。追跡期間中303人が死亡し、その内訳はがん74、循環器疾患115(うち脳卒中57、心疾患55)、その他102、不明12であった。血清β_2-M濃度が高いほど循環器疾患死亡リスクが高かった。性、年齢、調査地域、既往歴、BMI、血圧、Hb、Alb、HbA1c、T-Chol、HDL-Chol、尿蛋白、eGFR、cystatin C、WBC、logCRP、logIL-6、健康度自己評価、うつの有無を調整した、第2および第3三分位のハザード比(第1三分位=reference)は、循環器疾患では2.36(95%Cl:1.21-4.61)、3.31(1.62-6.76)、うち脳卒中では3.78(1.45-9.88)、4.58(1.59-13.2)であった。血清β_2-Mは一般高齢者における循環器疾患(とりわけ脳卒中)死亡の強い独立した予測因子である。
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Research Products
(5 results)