2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸組成が疾病早期バイオマーカー及び気管支ぜん息に及ぼす影響
Project/Area Number |
21390213
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
溝上 哲也 Research Institute, International Medical Center of Japan, 国際臨床研究センター国際保健医療研究部, 部長 (60269074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 匡央 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90294909)
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Keywords | 保健栄養 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
1)疫学調査実施:研究2年目に行う予定であった公務職場における追跡調査を、予定を早め研究初年度に実施した。職員約550名から健康診断情報に加え食生活に関するデータを得たほか、血清・尿の検体を採取し-80℃で凍結保存した。調査協力者には調査結果の一部を通知した。これに伴い、予定していた炎症性マーカーの測定は次年度に延期した。その一方、フィールド拡大に向け、他職場における疫学調査の実施について協議した。2)血清試料分析:メタボリック症候群の男性100名を対象に行った生活習慣改善に関する研究で得た介入前後の保存試料について、リン脂質とコレステロールエステルの各分画における脂肪酸組成をガスクロマトグラフィー法にて測定した。3)データ解析:2006年の調査集団(550名)において、脂肪酸組成と酸化的遺伝子損傷のマーカーである尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン値との関連を統計的に分析した。n-3系多価不飽和脂肪酸のあるものとの正の関連を認めた。4)論文発表:食事からの脂肪酸摂取と炎症性マーカー(高感度CRP)との関連を分析し、EPAやDHAといった魚油に含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸ばかりでなく、男性においてはリノール酸などn-6系多価不飽和脂肪酸の摂取が多い群でも炎症レベルが低いことを報告した(NutrRes 2009)。5)気管支ぜん息患者の調査:呼吸器科医師と調査に向け準備を進めたが、新型インフルエンザの影響などで調査を開始することができなかった。本調査については実施法の変更を含む代替案を検討している。
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