2011 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸組成が疾病早期バイオマーカー及び気管支ぜん息に及ぼす影響
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21390213
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
溝上 哲也 独立行政法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター・疫学予防研究部, 部長 (60269074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 匡央 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (90294909)
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Keywords | 保健栄養 / 脂肪酸組成 / 炎症 / メタボリック症候群 / 酸化的遺伝子損傷 |
Research Abstract |
1)血清脂肪酸の測定:研究初年度に実施した調査から得られた血清サンプルについて、分担研究者のラボにて脂肪酸組成の分析を進めた。2)疾病早期バイオマーカーの測定:同じサンプルについて、肥満・代謝関連バイオマーカー(アディポネクチン、レプチン、インスリンなど)を測定した。3)解析用データベースの作成:上記測定データと、生活習慣調査・食生活調査・健康診断のデータ、及び2006年の疫学調査データとを連結し、横断的及び縦断的な分析が可能な解析用データベースを作成した。4)統計分析:メタボリック症候群及びその構成要素との関連を統計的に解析し、関連する脂肪酸組成を検索した。5)学会発表:インスリン抵抗性マーカーとしての血清C-ペプチドとの関連について、リノール酸がインスリン抵抗性に対し予防的な関連を示すことを学会にて報告した(日本疫学会総会 2012年1月)。6)論文作成:炎症マーカーである高感度CRPとの関連について、男性においてパルミチン酸が正の関連を、またαリノレン酸が負の関連を示すこと明らかにし、論文として公表した(Atherosclerosis 2011)。C-ペプチドとの関連、及び酸化的遺伝子損傷のマーカーである尿中8-ヒドロキシデオキシグアノシン値との関連についても、それぞれ論文にまとめ国際誌に投稿した。これらの一般集団から得られた知見は、生活習慣病発症に関わる各種の病態に、脂肪酸組成及びそれを決定する脂肪酸摂取や酵素が重要な役割を果たしていることを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた血液中の脂肪酸組成や疾病早期バイオマーカーの測定をほぼ終え、血清CRP(論文受理)、尿中8-OHdG(論文投稿中)、血清C-ペプチド(論文投稿中)他、いくつかのテーマについて統計解析及び論文作成を進めており、当初予定していた研究成果を研究期間中にとりまとめ、論文として公表する見通しがたっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はこれまでに測定を終えた脂肪酸組成データと疾病早期バイオマーカーのデータを結合し、統計的分析を行う。また、研究成果を国内外の学会で発表することに加え、論文にまとめ国際誌に投稿する。また、ウェブサイトやマスメディアを通じて研究成果を市民に公表する。今後の推進方策としては、本研究結果を検証するため他集団での同様の調査実施や、疾病をエンドポイントに置いた疫学研究へと展開する。
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