2011 Fiscal Year Annual Research Report
粥状硬化と細動脈硬化の進展に及ぼす生活習慣・危険因子の影響に関するコホート研究
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21390214
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Research Institution | Osaka Medical Center for Health Science and Promotion |
Principal Investigator |
北村 明彦 (財)大阪府保健医療財団 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50448031)
今野 弘規 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90450923)
梅澤 光政 茨城県立医療大学, 助教 (00567498)
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Keywords | 動脈硬化 / 進展因子 / 追跡調査 |
Research Abstract |
本研究は、都市部のドック受診者の追跡調査により、血管部位別の動脈硬化の進行の実態および種々のリスクファクターとの関連を追跡研究にて明らかにしようとするものである。平成21~23年度に追跡調査を順次行って分析対象者数を蓄積し、24年度に最終的な解析を行う計画である。 平成13~16年度にベースライン調査を実施した男女計604人に受診を募った結果、平成23年度の受診者数は83人となり、平成21~23年度の合計受診人数は計240人となった(受診率40%)。これに、Preliminaryに調査した分を加えると、解析対象者数は約400人となる見込みである。また、追跡調査と同時進行で、動脈硬化の一指標である頸動脈の内膜・中膜複合体厚の最大値(最大IMT)について、0.1mmの精度で経年比較が可能になるよう、精密な定量化を行った。 平成23年度は、最終的なデータセットを用いての解析を行う前の解析として、閉経後の女性の動脈硬化の進行に関連する因子を探るため、頸動脈の最大IMTの経年変化に関連する危険因子、食事因子について検討した。その結果、頸動脈IMTの変化なし群では増加群に比べ、再受診時にLDLコレステロール、トリグリセライド、最大血圧の高値者が有意に少なかったことから、これらの値を適正に保つことが動脈硬化の進行防止に重要と考えられた。さらに豆類や肉類、油脂類などの適正摂取など、食事内容を改善して血清脂質の値を適正に保つこと、および正常範囲内であってもHDLコレステロールはより高めに、トリグリセライドはより低めに維持することが閉経女性の動脈硬化の進行を遅らせるのに有効ではあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究に必要な症例の収集が順調に進み、当初の目標であった400人程度のデータセットを構築する見通しが立った。また、昨年度までの解析により、頸動脈硬化や冠動脈硬化の進行促進因子が漸次解明されてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたる今年度は、最終データセットを用いた統計解析を行い、血管部位別にみた動脈硬化の進行度と各影響因子の関連分析を行ない、得られた成績より、研究の総括を行なう。また、学会発表や論文等の作成を行うとともに、ホームページ等を利用して、国民向けに研究成果の概要を作成し紹介する。
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