2011 Fiscal Year Annual Research Report
年齢依存性発現生体分子の網羅的検索・同定と法医学的年齢推定への展開
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21390215
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 准教授 (40139788)
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Keywords | 年齢推定 / 遺伝子発現 / 老化 / 法医学 |
Research Abstract |
本研究は、(1)トランスクリプトームおよびブロテオーム解析による年齢依存性生体分子の検索・同定(2)年齢依存性生体分子の生理的機能や加齢・老化・疾患との関連の解明(3)年齢依存性生体分子の定量法の確立を目的として企画した。これまでの研究から、活性酸素の代謝に関わるマウス腎の新規タンパク質M-LPは年齢依存性発現を示し、M-LP遺伝子の年齢依存性発現には新規転写抑制因子Rhitが関与することが明らかになっている。そこで今回は、研究をヒトに展開し、M-LP/RhitのヒトホモログであるM-LPH/RhitHの酸化ストレス防御機構における役割を明確にするため、以下の3点についての解析を実施した。 1.M-LPH発現におけるRhitHの転写抑制因子としての機能の検証 培養細胞(MCF-7)で発現しているRhitH遺伝子をノックダウンするとM-LPH遺伝子の発現が促進された。したがって、M-LPH遺伝子は転写抑制因子RhitHの標的遺伝子であると考えられた。 2.RhitH遺伝子の発現調節機構の解析 Promotor assay、Gel Shiff assay、ChIP assayなどによる詳細な解析の結果、促進因子はGABP、抑制因子はFOXD3であることが明らかになった。 3.RhitHおよびM-LPH発現の抑制/促進がミトコンドリア機能に及ぼす効果の解析 ミトコンドリア電子伝達系の阻害剤Antimycin A (AMA)は、活性酸素の産生やミトコンドリア膜の脱分極を誘発し、アポトーシスを誘導する作用をもつ。このようなAMAによる効果は、RhitH遺伝子のノックダウンあるいはM-LPH遺伝子の過剰発現によって緩和されることが示された。したがって、RhitHやM-LPHは酸化ストレスやアポトーシスに対する細胞の防御機構に関わるものと考えられた。P
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成21~23年度の間に、申請時に記載した「研究の目的」の7割程度を達成した。また、研究成果を、活性酸素種の生物学・医科学分野のtop journalなど3誌に発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
・概ね当初の計画通りに研究を推進する。 ・目的1(トランスクリプトームおよびプロテオーム解析による年齢依存性生体分子の検索・同定)、目的2(年齢依存性生体分子の生理的機能や加齢・老化・疾患との関連の解明)および目的3(年齢依存性生体分子の定量法の確立)を達成するための研究はそれぞれ順調に進んでいるので、今後は内容をより深化させる。
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