2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクターピロリ感染胃発癌における菌-宿主間クロストークのメタボローム解析
Project/Area Number |
21390228
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
東 健 Kobe University, 医学研究科, 教授 (60221040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 建一 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 助教 (90280792)
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Keywords | H.pylori / プロテオミクス解析 / メタボロミクス解析 |
Research Abstract |
1)リン酸化蛋白のフォーカス解析によるピロリ菌-宿主細胞間クロストーク解析:ピロリ菌感染における菌-宿主細胞相互作用において、ピロリ菌のエフェクターであるCagA蛋白による感染細胞内のシグナル伝達系の変化が、病態に大きく関与していることが明らかになってきた。そこで、シグナル伝達系を構成するチロシンリン酸化蛋白質に関して、感染時からの活性変動を効率的・網羅的に解析することにより、感染に伴うシグナル伝達の"乱れ"を明らかにし、計算機上におけるネットワーク解析を通して疾患発生機序が統合的に理解できるようになる。本研究計画においては、近年の技術進展が目覚ましい定量プロテオミクス解析法により、シグナル伝達関連因子の包括的なデータの取得を行う。現在、予備検討において、SILAC法による相対変動解析法に基づいて、AGS細胞をピロリ菌に感染させ、チロシンリン酸化蛋白の変動をプロファイルすることが可能であった。 2)ピロリ菌感染における菌体メタボローム解析: 今年度は,サンプルを用いた前処理条件・分析機器条件・データ解析手法の最適化をはかった。サンプルが含有する低分子代謝物の多様性・複雑性を考慮し、主な分析機器としてはGCMSを用いて検討した。水/メタノール/クロロホルム混合溶媒を用いて水溶性/脂溶性代謝物を回収し、(Blight & Dyer法)、誘導体化処理を行った後にGCMSによる解析に供した。さらに解析に必要なサンプル量の検討を行った。これらの予備実験の検討がほぼ終了し、現在、ピロリ菌感染検体を用いてGC/MSを用いた比較解析を実施している。
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Research Products
(3 results)